【基調講演】吉田 健一郎 氏 業務部門の省エネルギー政策とZEBの普及促進

2018年2月16日

資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部
省エネルギー課長
吉田 健一郎 氏

 エネルギー消費が膨らむ業務部門で建築物の省エネ化は大きな課題である。このため国のエネルギー基本計画では、2020年までに新築公共建築物等で、30年までに新築建築物の平均で、それぞれZEBの実現を目指している。15年度に作成したZEBロードマップに基づき、この目標の達成に官民で取り組んでいる。

 まず15年度にZEBの定義を確立。16年度からはZEBの実証事業を継続している。環境省補助事業を含め、17年度までに約80件の実証事業を補助してきた。その成果を生かし、ZEBに必要な技術やコスト、省エネ効果、設計事例などを載せた設計ガイドラインを、中・小規模事務所、老人・福祉ホーム、スーパーマーケットの分野に作成。建物オーナー向けには支援制度なども紹介したパンフレットを用意した。環境共創イニシアチブのホームページで公表しており、多数ダウンロードされている。

 また、ZEBの知見を有する設計・施工会社などを「ZEBプランナー」として、ZEBの実事例や具体的計画を持つオーナーを「ZEBリーディング・オーナー」として登録する制度を設け、ZEBの一層の普及を後押ししている。17年末で64社、25事例が登録されている。18年度も実証事業を継続し、今後、病院や学校などの設計ガイドラインを作成予定。これまでの実証事業から用途ごとに異なる課題が見えており、細かく対応していく。

 ZEBには環境・省エネだけでなく、知的生産性や快適性、災害時の事業継続性の向上という価値も指摘されている。これらを見える化し、全体としてZEBが選ばれる環境を関係者とともに作っていきたい。

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