【企業講演】冨田 洋 氏 地下埋設物を地上から正確に探査~地下インフラ3D マップ

2017年9月28日

ジオ・サーチ 代表取締役社長
冨田 洋 氏

 当社は1989年に創業、翌年世界で初めて路面下空洞探査システムを開発した。まもなく国連から対人地雷の探知に使いたいという要請を受けたが、当時は直径50㌢㍍までの探査が限界。直径5㌢㍍のプラスチック地雷は探知できなかった。その後15年かけて解像度を100倍に高め、地雷探知能力を向上させた。

 その技術を進化させ、2010年に地上から地下埋設物を3次元で正確に探査する技術を実用化しスケルカと名付けた。地下1.5㍍までの地下埋設物を水平・垂直方向とも10㌢㍍以内の誤差で測定が可能。

 歩道は手押し型スケルカートで、車道は時速80㌔㍍で走れる車載型スケルカ―で広範囲を一度に調査することができる。点ではなく面で地下3次元データを取得し、埋設管の曲がりや重なりなどを連続的に可視化することで、新規埋設物のルート選定や既存埋設物の移設設計、安全な掘削工事が効率的に行えるようになった。

 さらに3次元レーザースキャナーで取得した地上部の点群データと統合することで、地上・地下を統合した3Dマップの作成を実現した。地下に縦横無尽に広がる通信、水道、電力、ガス、下水などを管種別に色分けして表示し、地上のデータと共に全ての関係者が3Dマップ情報を共有することで、設計・調整・施工・管理の全ての工程で無電柱化工事を効率的に進めることが可能となった。

 無電柱化工事の工期は設計から完成まで平均約7年かかるといわれる。3Dマップを活用した、無駄のない設計・施工により、手戻りの回避、占用企業関係者とのスピーディーな協議、掘削工事の削減、既存埋設物の損傷事故の防止等により、工期を最低でも2年以上は短縮でき、労働コストも約1億円の削減につながる。

 スケルカ技術は東日本大震災や熊本地震後の交通・物流ネットワークの迅速な復旧に貢献した。12年に東京都ベンチャー技術大賞特別賞を受賞し、15年に都の先進的防災技術実用支援事業にも選ばれている。

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