【企業講演】本橋 準 氏 東京電力パワーグリッドにおける無電柱化の推進に向けた取り組み

2017年9月28日

東京電力パワーグリッド
配電部長
本橋 準 氏

 配電線には、大きく2種類。電柱の上に載っている架空配電線と、ケーブルを地中に埋設する地中配電線がある。架空配電設備から地中配電設備に変更することを無電柱化と呼ぶ。全国で9500㌔㍍の無電柱化が進んでおり、そのうち4500㌔㍍が東京電力エリアである。東京都心の中央3区に限ると、地中化率は87.8%だが、都全体では35.8%。無電柱化の余地はたくさん残っている。

 無電柱化する際、道路幅2.5㍍以上で多く整備されているが、狭い道幅でも実績はある。風情ある建物が並ぶ小京都、埼玉県川越市の「時の鐘」周辺も整備し、空がきれいに見えるようになった。

 無電柱化を進める上での課題は、①架空配電設備と比較し、地中配電設備は、地上機器・掘削費用・道路構造物等が高コスト、②歩道幅が狭い(または歩道のない)道路での地上機器(変圧器等)の設置スペースや地域に受け入れられるデザイン、③トラブル発生時、再掘削等が必要になり、復旧に時間を要する――の3点が挙げられる。

 地上機器の設置場所については、民地を利用したり、災害時避難場所の地図を掲示したりといった工夫をしている。しかし、これだけでは不足だと認識しており、本社配電部では、「無電柱化の推進に資する電力設備の技術開発プロジェクト」を立ち上げて課題解決に取り組んでいる。

 検討内容としては、材料費が非常に安い波付き硬質ポリエチレン(FEP)管の使用を推進し、実適用段階にある。架空配電工事で実施しているマジックハンドを使ったホットスティック工法の地中工事への導入を検討中である。これによる設備コンパクト化で材料費半減を考えている。

 現在、経済産業省委託事業にて、直接埋設による電線地中化工法の実用性を調査中であり、直接埋設として適用可能な低圧ケーブルを開発している。低コスト化の1つの有望な手段として、ポールを使ったソフト地中化も検討中だ。2016年12月に「無電柱化の推進に関する法律」が、今年9月に「東京都無電柱化推進条例」が施行された。この法の趣旨に則して、我々、電線事業者も都市防災機能の強化に努めてまいりたい。

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