【自治体講演】三浦 隆 氏 東京都における無電柱化の取り組みについて

2017年9月28日

東京都 建築局 道路監
三浦 隆 氏

 東京都の無電柱化は、明治時代に広尾で地中ケーブルが初めて使用されたが、昭和に入り、架空線による整備が進んだ。1955年以降、高層ビルの建設が進み、電力需要の高まりから無電柱化が推進し、86年に無電柱化推進計画の5カ年計画が開始。対象道路は歩道幅員が2.5㍍以上、対象地域は23区、多摩地区の人口集中地域内とした。5カ年計画を繰り返し、2013年度までに第6期が完了、819㌔㍍の都道を地中化した。

 第7期の現在、916㌔㍍を目標に進行している。区部のセンター・コア・エリアでは94%を地中化。エリア内の都道と20年に競技会場になる予定地周辺の都道では、19年度までに無電柱化を完了させる。災害時の緊急搬送や災害拠点を結ぶ第1次緊急輸送道路は24年度までに50%を完了、震災時に一般車両流入禁止区域となる環状七号線は100%完了を目指す。無電柱化を推進する区市町村には国の交付金と合わせて財政支援を行っている。

 地中化にはいくつかの方式があるが、電線共同溝方式を採用している。地面に管路を埋め、中にケーブルを通し、トランスなどの地上機器を上に置く。管路や地上機器は道路管理者で負担、ケーブルや民地側への引き込み管は電線管理者が負担する。

 無電柱化の課題は3つ、コスト、工期、狭あい道路での整備がある。電線共同溝方式の場合1㌔㍍当たり5.3億円かかり、400㍍の整備に約7年かかるといわれている。狭あい道路では、地上機器を置く場所がないという問題点がある。また、設備更新のしやすさも重要で、古くから100%の無電柱化を実現しているロンドン、パリでは維持管理に苦労していると聞く。

 今後の取り組みとして、9月1日に施行になった条例では、都民の理解と関心を深めつつ無電柱化を推進するという基本理念や責務等を定め、新たな無電柱化計画を区市町村と連携して策定し、広報活動の充実や、都道の電柱新設の禁止、技術開発等の推進に取り組んでいく。

 今年1月には東京都無電柱化低コスト技術検討会を設置。電線事業者と共に、技術開発の検討を進めている。無電柱化に新たに取り組む区市町村には、計画策定費の100%を都が補助、工事費では国の交付金と合わせて自治体の負担なしで取り組める財政支援を拡充していく。

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