【挨拶】小池 百合子 氏 無電柱化で新たなビジネスチャンスを

2017年9月28日

東京都知事
小池 百合子 氏

 昨年12月に無電柱化の推進に関する法律が施行、東京都でも無電柱化推進条例が9月1日より施行されている。無電柱化といえば主に景観の観点から歴史ある地域などの電柱を取り除こうという動きだった。議員立法から関わってきたが、自分も阪神淡路大震災時に電柱が道路に倒れ、警察や自衛隊、消防車、救急車の通行を妨げていた現実を目の当たりにし、防災の観点でこそ見直すべきと考えた。

 無電柱化が進んだ街は災害に強いだけでなく景観も素晴らしくなる。2020年には、世界中から多くの人々が東京に集まり、街の姿が世界中に発信される。東京大会を控え、センター・コア・エリア内でいち早く無電柱化を進め、都道では現在約39%まで地中化が進んでいる。区市町村道も、今後より一層促進すべく、様々なサポートを行っていく。最新の検証では浅層の埋設が可能になり、工事日数とコストの縮減が期待される。

 無電柱化促進のために、まずは意識改革から始めたい。一般的に計画から実行まで7年かかるとされるが、住民の意識を変え、技術革新が進むことで、スピード化される。歩行空間が広がることで、歩行者の通行が安全に保たれる。街がきれいになれば不動産価格にも反映されるだろう。管路や地上機器のコンパクト化、コスト削減に向けた技術開発も必要不可欠だ。

 これらのイノベーションは多くの産業分野にまたがり、経済の裾野が広がることにも期待できる。新たなビジネスチャンスと捉え成長戦略にも結びつけていただきたい。

このサイトについて

日本経済新聞社について