【基調講演】原田 英一 氏 CO2フリー水素導入構想への川崎重工の取り組み

2015年8月24日

川崎重工業
執行役員
技術開発本部 副本部長
原田 英一 氏

 未使用資源や安価な再生可能エネルギーから低コストで水素製造を行い、CO2の排出を抑制しながらエネルギーを安定供給する。これが当社が提案するCO2フリー水素サプライチェーンのコンセプトだ。

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 未使用資源である豪州の褐炭は、豊富に存在するが乾燥すると自然発火しやすく輸送が困難で、海外取引は皆無な状況となっている。それだけに褐炭からの水素製造は最も経済的な方法の一つだ。生成時に発生するCO2は現地で回収・貯留される。

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 水素を液化し、体積を800分の1に縮小して輸送を行うことで、水素の長距離・大量輸送が可能になる。当社のH‐Ⅱロケットにおける液化水素インフラやLNG(液化天然ガス)船で培った技術を基に水素インフラ技術を展開し、20年までには実現性を実証したい。この発電コストを試算すると、化石燃料発電よりは高いが、CO2フリーエネルギーの中では再生可能エネルギーよりも安いと考えられる。

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 CO2フリー水素サプライチェーンの意義は、自主権益の獲得が容易な褐炭の供給安定性、使用時にCO2を排出しない環境性、そして産業競争力の向上だ。インフラ輸出への展開も期待できる。日本の成長戦略とエネルギー社会に貢献する技術として鋭意開発していきたい。


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