【基調講演】村関 不三夫 氏 水素社会に向けた街のエネルギーシステム

2015年8月24日

東京ガス
常務執行役員
エネルギーソリューション本部長
村関 不三夫 氏

 東京ガスは2009年、家庭用燃料電池「エネファーム」を世界に先駆けて発売した。都市ガスから取り出した水素と空気中の酸素で発電し、発電時の熱はお湯として利用するエネルギー効率の高い機器だ。14年4月にはマンション向け製品を発売し、住宅業界やメーカーなど業界の枠を超えた協力体制により、さらなる普及に向けて取り組んでいる。

 エネファームは原理的に燃料電池車で使う燃料電池と同じだ。エネファームの普及が燃料電池車のコストダウンにもつながる。さらにガスエンジンなどを用いた既存のエネルギーセンターを、発電効率の高い大型の燃料電池に交換すれば、より大きな発電能力を持つようになる。

 将来的には、CO2を排出せずに製造された水素の受け入れ基地が臨海部に設置され、その周辺には水素発電所や水素配管が整備された水素社会を想定している。首都圏全域に向けては、すでに整備されている天然ガスインフラを最大限活用し、エネルギーを効率良く利用することが重要と考える。具体的には、コージェネレーションを中心に熱と電気を地域全体で効率良く利用するスマートエネルギーネットワークとして各地で実証・実装を進めている。官民連携による開発の進む田町駅東口北地区のように、今後も積極的に低炭素で災害に強いまちづくりを推進していく。



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