【基調講演】前川 治 氏 東芝が再生エネルギーで目指す水素社会

2015年8月24日

東芝
執行役上席常務
次世代エネルギー事業開発
プロジェクトマネージャー
前川 治 氏

 今、なぜ水素に着目しているのか。一つが我が国のエネルギー自給率の低さだ。そして環境問題。東日本大震災後、再生可能エネルギー導入が進んでいるが、電力系統が不安定になる問題も起きている。それを解く一つの解が水素エネルギーだ。

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 現在、取り組んでいるのが水素の地産地消ソリューション。水素の大規模な輸送を不要にするシステムで、それぞれの場所で水素をつくり、そこで使う。水素のサプライチェーンも検討している。再生可能エネルギー効率が高い海外で安価な水素をつくり、日本に運んで経済性を高める。

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 すでに実証に入っているのが、大規模災害に備えた自立型のエネルギー供給システム「H2One」によるBCP(事業継続計画)モデルだ。平常時は通常の電源系として使うが、災害時にはためておいた水素で避難所に電気とお湯を提供する。

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 日本には多くの島がある。エネルギー的に少し隔離されているところや発電コストが非常に高い地域を自立型のエネルギー供給システムでネットワーク化することで安価でクリーンな電力を安定供給できるだろう。

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 夏の間にためた水素を日照が弱い冬に使い、太陽光発電を補うことも夢ではない。こういった大容量の水素電力貯蔵システムも検討し、地球規模で電力網を構築していく。

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