【基調講演】田中 義和 氏 燃料電池自動車MIRAIの開発と水素社会の実現に向け

2015年8月24日

トヨタ自動車
製品企画本部
チーフエンジニア
田中 義和 氏

 水素は様々な1次エネルギーから製造可能で、電池に比べエネルギー密度が高く貯蔵・輸送が容易な特性は自動車用エネルギーに適する。水素と空気中の酸素を化学反応させて発生した電気でモーターを駆動するFCVは、走行時に水しか排出しないクリーンな次世代自動車である。

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 我々は昨年末、20年以上に及ぶ開発の集大成としてFCV「MIRAI」の市販を開始。1ミリメートル強の薄いセル370枚を一列に並べたFCは114キロワットを瞬時に出せる。高圧水素タンクには炭素繊維の加工技術を多用。最先端のものづくり技術が生かされた。既存のハイブリッド技術を応用して低コスト化とリードタイム短縮を図った。3分の水素充填時間で約650キロメートル走行可能というガソリン車並みの使い勝手を実現。一目でFCVと分かる先進的なデザインを採用し、最適な重量バランスを追求、運転して楽しいクルマに仕上げた。各種補助金のおかげで"手の届く価格"でご購入いただける。

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 FCVを本格普及させるには多くのプレーヤーが参加し、FCV導入初期は水素ステーションのサポートが必要との考えの下、関連特許を無償で提供し、自動車メーカー3社による水素ステーション整備促進支援事業の実施も決めた。モビリティー分野における技術革新を今後さらに広げたい。


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昨年12月5日から販売を開始したFCV「MIRAI(ミライ)」。 約3分の水素充填時間で約650km(JC08モード)走行可能だ

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