【企業講演】前川 治 氏 再生可能エネルギーで目指す水素社会

2017年8月29日

東芝 執行役専務
前川 治氏

 当社は自立型水素エネルギー供給システム「H2One」を展開している。再エネの不安定分・変動分を水素の形に変えて蓄電する。つまり水素を蓄電として使うことで安定的に電源を確保し大容量の電力や熱を供給できる。長期にわたる無風や日照不足でも100%自活できるため、エネルギー供給に課題のある離島やリゾート地などへの電力供給に貢献できる。コンテナサイズなので設置時の環境負荷が小さく、短工期で設置できる点もポイントだ。

 またH2Oneは設計自由度が高く、様々な発電出力・蓄電容量に柔軟に対応できる。今年4月にはJR東日本のエコステーションの一環として南武線武蔵溝ノ口駅に設置された。災害時には2日間電力供給ができるため、駅が一時滞在場所として必要な設備への電源供給が可能になる。今年12月には東急建設の技術研究所に導入され、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルとして運用開始予定だ。

 水素利活用のさらなる展開として、高発電効率の純水素燃料電池システムがある。発電効率52 ~55%、総合効率95%で、地上15階建てのビルなら1㍋㍗基1台で約25%の電力を供給可能だ。これを支えているのが当社独自の水素エネルギーマネジメントシステム「H2EMS」だ。

 負荷に対して使える再生エネルギーはそのまま利用し、余剰電力は水素の生成・貯蔵に活用する。再生エネルギー由来だけでは不足する電力は、貯蔵水素から燃料電池の発電により補完でき、電力のマネジメントが可能となる。今後も高効率水素技術の研究開発を進め経済性向上に貢献していきたい。

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