【企業講演】桑原 豊 氏 水素社会実現に向けたJXTGの取り組み

2017年8月29日

JXTGエネルギー 取締役 常務執行役員
新エネルギーカンパニー・プレジデント
桑原 豊氏

 日本はエネルギーの4割以上を石油に頼っている。一方、温暖化ガス削減は世界的な課題だ。石油を供給する当社もより低炭素なエネルギーの安定供給という社会的要請を受けている。ガソリン需要は、省エネや人口減の影響で年率約2%のペースで減少する見通しだ。事業ポートフォリオの観点から今後のエネルギーの1つとして水素を選択し、事業化に取り組んでいる。

 具体的には液化石油ガスから製造したFCV用水素を供給している。首都圏、中京圏、関西圏、北九州圏の4大都市圏で水素ステーションを40カ所運営し、FCVの普及を後押ししている。

 課題はコストダウンだ。FCVを普及拡大していくためには、水素ステーションの建設・運営コストを下げなければならない。パッケージ化の導入や、技術開発によるコスト削減の取り組みを進めている。また、規制見直しで既存のガソリンスタンドとの併設も可能になってきたが、建設・運営コストを削減するために、一層の規制見直しが必要である。

 なじみの薄い水素を知ってもらう啓発活動も大切だ。水素ステーションの見学会のほか、横浜市内の「横浜綱島水素ステーション」に「見る」「体験する」をコンセプトにしたショールーム「スイソテラス」を開設している。水素社会を実現するためには、新たなインフラ整備など大きな社会変革が必要である。当社も長期的視点に立って取り組み、CO2フリー水素の活用やFCV以外への展開を考えていきたい。

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