【企業講演】宮崎 淳 氏 水素社会実現に向けて~水素インフラ整備を推進~

2017年8月29日

岩谷産業 常務執行役員
中央研究所長
宮崎 淳 氏

 日本の水素需要全体の1%、1億数千万立方㍍が外販用水素市場で、当社は約70%のシェアだが、特に液化水素に注力している。水素事業は1941年にスタートし78年には商用液化水素プラントを造り宇宙開発事業団に販売。2006年には堺市で国内最大の液化水素製造プラントを稼働した。液化水素のメリットはコンパクトに貯蔵できること。液化して大量に貯蔵・供給・輸送でき、超高純度、極低温という特徴もある。

 現在日本国内には91カ所の商用水素ステーションがあるが、我が社は計画を含め23カ所設置。14年開所の尼崎は研究所に併設されており試験・研究を行うほか、燃料電池やソーラー発電も備え、再生可能エネルギー利用のモデルとしている。ほかに展示ルーム併設の東京・芝公園、関西国際空港、コンビニエンスストア併設の大田区池上等がある。本年3月には宮城県協力の下、仙台に東北初の水素ステーションを開所。また東京・有明では液化水素ポンプ昇圧型を開所。大型バスにも対応可能で20年に向けさらに整備を加速する。

 今後の課題はインフラ整備費・運営費の低減だ。戦略的な水素ステーション整備を目的に関連企業・機関11社で新会社設立を検討している。さらなる取り組みとしては、燃料電池フォークリフト実証、水素パイプラインを敷設した純水素型燃料電池実証試験などを行っている。

 水素ガスは品質管理も重要なため、多種類の分析が1つの装置でできる簡易装置や流量計の校正技術などを開発中だ。これから訪れる水素社会実現に向け貢献していきたい。

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