「水素供給と自動車関連サービス推進」

2017年9月5日

――水素を安定供給するための体制はどのように整備していますか。

 40カ所の水素ステーションに加え、2016年3月、横浜市に「水素製造出荷センター」を開所しました。運営しているのは、当社100%子会社である「ENEOS水素サプライ&サービス」(2014年10月設立)です。同社は首都圏にある水素ステーション、移動式ステーションへの水素供給や、単独型ステーションの運営も行っています。


コストダウンや規制緩和が課題

――水素ステーション事業の拡大に向け、課題は何でしょうか。

 大きく分けて、コストダウンと普及啓発の2つがあります。まず、コストダウンですが、一般に、建設コスト(整備費)が1カ所当たり約3.6億円、運営コストが年間約4千万円、それぞれかかると言われています。技術面では、圧縮器や蓄圧器など一つ一つの機器を個別に設置するのでなく、パッケージ化して工期や工事費を減らす検討をメーカーと協力して進めています。

 技術開発と並行して、規制の見直しも重要な課題です。これまでに実現した例としては、ガソリンスタンドとの併設が挙げられます。従来、水素ステーションは単独で建設する必要がありましたが、併設が可能になったことで、建設費や運営費が削減できるほか、お客様に対するサービスも向上しました。また、水素保有量の上限も撤廃されました。これまで市街地では、ステーション1カ所当たり、FCVの5台分程度しか貯蔵できませんでしたが、水素貯蔵量の上限が撤廃され、輸送コストなどを減らすことにつながっています。

 さらに、今後の規制見直しとして、今年5月の規制改革会議において、業界全体での要望をカバーする形で、37項目の具体的な規制改革項目が答申に盛り込まれました。例えば、現在は高圧ガス製造責任者の資格を持つ人を、保安監督者として各ステーションに専任させており、運営コストの増加要因となっています。そこで、保安監督者が複数のステーションを兼任できるように要望しているところです。

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