「水素供給と自動車関連サービス推進」

2017年9月5日

JXTGエネルギー 取締役常務執行役員
新エネルギーカンパニー・プレジデント
桑原 豊 氏

桑原 豊 氏

 石油元売り最大手のJXTGエネルギーが、水素社会実現に向け取り組んでいる。柱となるのは、燃料電池自動車(FCV)に水素を供給する水素ステーションだ。国内事業者で最多となる40カ所を展開。事業を統括する新エネルギーカンパニー・プレジデントの桑原豊・取締役常務執行役員に現状や今後の課題などを聞いた。

豊富な技術的知見を生かす

――JXTGエネルギーは石油、ガス、石炭など多様なエネルギー事業を展開しています。水素ビジネスは経営戦略の中でどのように位置づけていますか。

 日本は消費エネルギーの半分近くを石油に頼っています。しかし、環境保護の観点から、より低炭素で、かつ安定供給可能なエネルギーへの社会的な要請が高まっています。また、水素は石油や天然ガスといった化石燃料のほか、太陽光、風力など多様な一次エネルギーから製造でき、安定供給が可能です。

 一方、当社の経営環境を見ますと、主力製品であるガソリンの需要は、日本全体で毎年約2%ずつ減少。事業ポートフォリオの観点からも、エネルギー源の多様化が求められています。水素に関しては、石油製品の精製過程でも扱うなど技術的な知見は豊富です。さらに、製油所やサービスステーションなど既存インフラの有効活用も図れることから、お客様にご提供するエネルギーの一つとして取り組んでいるところです。

――具体的にはどのような事業に取り組んでいますか。

 水素の製造とサービスステーション網を活用し、安定的な水素供給と自動車関連サービス提供により、トータルでお客様のカーライフをサポートしていきたいと考えています。水素は液化石油ガス(LPG)から製造しています。水素ステーションは2017年7月現在、首都圏に26カ所、中京圏に6カ所、北部九州圏に5カ所、関西圏に3カ所の合計40カ所を運営中です。日本全体では91カ所ですから、当社は4割以上を占めます。

 40カ所のうち、常設の固定式のステーションは、ガソリンスタンド一体型が18カ所、水素のみを供給する単独型が10カ所あり、当社は一体型を中心に展開しています。残りの12カ所は、トラックに水素の圧縮機やディスペンサーなどを積んだ移動式のステーションです。

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