「ローカルクールジャパンで地域の魅力を発信」

2017年6月22日

製品の背景にあるストーリーを重視

――実際に海外に発信して成功した事例を教えていただけますか。

 2016年度に実施した「The Wonder 500」というプロジェクトがあります。世界にまだ知られていない、日本が誇るべき優れた地方産品(ものづくり・食・観光)を500ほど選定し、海外に広く伝えていく事業です。料理家やデザイナー、バイヤーなど約30人のプロデューサーが全国各地の商材を発掘し、その背景にあるストーリーとともに海外に発信するのが特色です。

 例えば、北海道旭川市の木工業者、カンディハウスが製作した「Splinter Lux ダイニングチェアー」。国際的に活躍するデザイナー、佐藤オオキ氏がデザインを担当し、流れるようなフォルムが特徴です。旭川は森林資源に恵まれ、昔から木工産業が盛んでした。革張りは同じく北海道に本社を置く日本唯一の馬具メーカー、ソメスサドルによるものです。

 また、大分県日田市のhi-countが製作したクラッチバッグは、有名な日田杉を布のように薄くスライスして使っています。伝統的な特産品を今の時代に合う形で活用したところが新しいですね。食材では、長野県高森町のマツザワの「市田柿ミルフィーユ」。特産の市田柿を干し柿にして国産バターと組み合わせたもので、日本と西洋のスイーツが見事に融合しています。

――観光客の誘致ではどんな取り組みがありますか。

 やはり2016年度に実施した「Travel Mine Japan」があります。インバウンド消費拡大による地域経済の活性化を目的とし、日本各地の魅力あふれる質の高い観光資源を掘り起こし(=Mine)、磨き上げ、世界へ発信、ビジネス化を支援するプロジェクトです。全国から9つの地域を採択し、専門家がアドバイスしたり、地域同士の交流を図ったり、海外プロモーションやセールスを支援したりしています。

 例えば、徳島県三好市の祖谷地方は日本の三大秘境の一つといわれ、険しい渓谷の奥に茅葺民家の集落が点在しています。その茅葺民家にステイし、「何もない」自然の中で、昔ながらの日本の原風景や伝統的な生活習慣を体験してもらう。民家を運営する「ちいおりアライアンス」という会社と、外国人向け体験プログラムなどを手掛けるニモ・グラスマン氏が組み、富裕層向けの観光ツアーとして売り込んでいます。
 

このサイトについて

日本経済新聞社について