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顧客を「熱狂」させれば売り上げ10倍も

トライバルメディアハウス 池田紀行氏

 あなたのブランドと顧客の間で交わすメッセージは、どの周波数で交信可能なのか。この「周波数合わせ」こそが重要である。ハーレーなら「ハーレー」(ブランド直球)、カレールーなら「カレー」(カテゴリーまで拡張)、調味料なら「XX料理」もしくは「XXママ」(関心テーマまで拡張)など、交信可能な周波数を探す必要がある。

 もちろん、市場に兆しのないものを熱狂させることはできない。あなたがすべきなのは、すでにある兆しに火をつけ、強い炎にし、一気に燃え上がらせ、それを維持することである。ハーレーも、カレーも、ネット上のあちらこちらでコミュニティーができており、コミュニケーションが行われている(メーカーは何もしていないのに)。クックパッドには膨大な数のカレーレシピが掲載されているし、カレーの名店をまとめた記事には大量のソーシャルブックマークがつく。これこそが、顧客がもつ熱狂の兆しである。兆しがあるところに「周波数を合わせた場所」をつくる。これが熱狂戦略で失敗しないための鉄則である。

◇       ◇       ◇

 購入経験のないユーザーに「買ってくれない理由」を聞くのはもうやめよう。プレゼントをあげないと買ってくれない顧客に多額のマーケティング予算を割くことはもうやめよう。その代わりに、あなたのブランドを心から愛し、人にすすめてくれる熱狂顧客や熱狂的推奨者をもっと大切にしよう。

 もう内需の拡大は期待できない。誰かが獲れば、誰かが獲られるゼロサムゲームが始まっている。あなたが新しい顧客を獲得する旅に出ているうちに、あなたが一番大切にしなければならない顧客は愛想をつかして競合を愛してしまうかもしれない。「失ってからわかる」では遅いのだ。


池田 紀行 (いけだ のりゆき)

トライバルメディアハウス代表取締役社長。1973年横浜市生まれ。ビジネスコンサルティングファーム、マーケティングコンサルタント、ネットマーケティング会社クチコミマーケティング研究所所長、バイラルマーケティング専業会社代表を経て現職。キリンビール、P&G、トヨタ自動車などのソーシャルメディアマーケティングを支援する。『Facebookマーケティング戦略』『ソーシャルインフルエンス』『キズナのマーケティング』など著書多数。Twitter:@ikedanoriyuki、Facebook:http://www.facebook.com/ikedanoriyuki

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