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顧客を「熱狂」させれば売り上げ10倍も

トライバルメディアハウス 池田紀行氏

顧客を熱狂へと導く5つの施策

 熱狂顧客のカスタマージャーニーを学ぶことで典型的なパターンがいくつか見つかるはずだが、おそらくそこから「顧客を熱狂へと導く本質的な共通点」が見えてくるだろう。つまり、顧客の心の中にある様々な「欲求」をとことん満たした先に熱狂が生まれる、ということだ。熱狂を喚起する5つのポイントについて、順に見ていきたい。

(1)学ぶ(Learn)
 人は、強い興味関心を持つブランドやテーマについて、もっと詳しくなりたいと望んでいる。スポーツカーであればドライビングテクニックや改造した愛車のクールな写真の撮り方、キャンプなら真冬キャンプを楽しむための薪ストーブ活用術やダッチオーブンを使った簡単料理レシピ、ボートなら風が強い日の航海術や離着岸ノウハウなど、知ることそのものを楽しんだり、上達したり、もっと楽しみたいという強い欲求がある。

 あなたは、担当商品について豊富な知識や楽しみ方の知見を持っているはずだ。それを、オンライン、オフラインを問わず、顧客に提供するのである。

(2)交流する(Interact)
 早稲田大学大学院商学研究科教授の恩藏直人氏は、ソーシャルメディア時代においてブランドが形成されるためには3つの「R」、つまりRelevance(自分ゴト化)、Relationship(関係構築)、Reputation(評判形成)を意識したR3コミュニケーションが重要であると説いている。いくら企業が多額の予算を投じて「うちのブランドはここが素晴らしいですよ!」と広告を打っても、自分にとって意味や価値のあるブランドであることが認識されているかどうか、ブランドと顧客の関係が適切に設計されているかどうか、顧客と顧客の関係の中で適切な評判が形成されているかによって、そのブランド価値は大きく左右されるというわけだ。

 熱狂は、共通の興味関心を持った人たち同士がつながると熱量が増幅するという特徴がある。だから、あなたのブランドに熱狂する顧客同士が交流できる場を提供しよう。そうすれば、彼ら彼女らは有機的に人間関係を広げていく。良質な評判が形成され、より一層あなたのブランドのことを好きになっていくはずだ。

(3)使命を与える(Mission)
 熱狂顧客はあなたのブランドの役に立ちたいと思っている。もっと近づき、ブランドと同化したいと願っている。だから、遠慮せず、彼らに使命を与えてあげてほしい。たとえば、下記のようにストレートに依頼するのだ。

「この商品の素晴らしさについて、あなたは十分理解してくださっています。しかし、ほとんど広告予算をかけず、お客様の口コミによって販売数を伸ばしている商品特性上、まだまだ多くのお客様に本商品の価値をご理解いただけていないのが現状です。あなたはこのブランドのTOP100に選定されているブランドパートナーです。そんな大切なあなたに、新商品を10ケース提供させていただきます。本商品の素晴らしさを熟知されているあなたから、あなたの言葉で、この商品の持つ価値をご友人や同僚の方に伝えていただければ幸いです」

 良いことも悪いことも包み隠さず伝える。弱みや課題も、格好つけず、ありのままを伝える。すると彼ら彼女らは、「私たちの出番だ!」と心からの協力をしてくれるだろう。

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