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購入金額だけで「顧客を格付け」する愚行

本当に大切にすべきは「熱狂する顧客」

トライバルメディアハウス 池田紀行氏

「買わせるまで」に全マーケティング予算の95%が使われる

 ブランドは、小規模な場合で年間数千万円、大きなブランドでは年に数十億円規模のマーケティング予算を持つ。そしてほとんどのブランドは、商品を買ってもらうまでの購買ファネル(下図の左側)に予算の95%以上を投下する。テレビCMやネット広告を中心とした認知の最大化や、ナショナルチェーンの棚を大規模に獲るための販促協力金など使い方は様々だが、いずれにせよそれらの施策は、先の顧客構造で紹介した「売り上げの3分の2をつくってくれている上位20%の既存顧客」に向けたものではなく、「売り上げの3分の1しかつくっていない下位80%の顧客」に向けたものだ。

<b>マーケティングファネルと予算配分</b> マーケティングファネルと予算配分

 もちろん、そうした予算配分のすべてを否定するつもりはない。熱狂顧客に対しても購買頻度を高める施策は重要だし、何よりも下位80%の顧客がもたらしてくれる残り3分の1の売り上げがないと、販売計画数値を達成できないからである。

 しかし、明らかに予算のかけ方が偏っていると感じるのだ。売り上げの3分の2をつくってくれている上位20%の顧客の中で、あなたのブランドに熱狂してくれている「熱狂顧客と熱狂的推奨者」に、せめてファネルの左側(買ってもらうまで)にかけている予算の5~10%を使ってあげてほしいのである(決してファネルの右側にいる20%の顧客ではなく、その中の熱狂顧客と熱狂的推奨者であることに注意してほしい)。なぜなら、熱狂顧客と熱狂的推奨者は、あなたのブランドに持続的な競争優位をもたらし、利益成長の源泉になってくれるからだ。

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