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ロボットの脅威 人の仕事がなくなる日

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レポートを書く人工知能、ホワイトカラー危し

マーティン・フォード 氏

 2009年10月11日、ロサンゼルス・エンゼルスはアメリカン・リーグのプレーオフでボストン・レッドソックスを破り、リーグ優勝とワールドシリーズ進出をかけてニューヨーク・ヤンキースと対戦する権利を得た。その勝利がエンゼルスにとってひときわ感慨深かったのは、そのわずか6カ月前、チームでも有望株のひとりだったニック・エイデンハート投手が、酒酔い運転の車による衝突事故に巻き込まれて死亡するという事件があったためだ。あるスポーツライターはこの試合の記事をこのように書き出している。

 2点リードされて9回を迎えたとき、エンゼルスは敗色濃厚だった。だがロサンゼルスは、ブラディミール・ゲレーロの貴重なシングルで逆転し、日曜日のフェンウェイ・パークでのボストン・レッドソックス戦を7-6で勝利した。

 ゲレーロはエンゼルスの走者2人を返した。この日は4打数2安打だった。「ニック・エイデンハートと、4月にアナハイムであったことを偲ぶという意味で、たぶん(自分のキャリアのなかで)一番のヒットになったと思う」とゲレーロは語った。「このヒットを、亡きチームメイトに捧げるよ」。

 ゲレーロは今シーズンを通じて活躍し、特にデーゲームに強さを発揮した。デーゲームでのOPS(出塁率プラス長打率)は.794。デーゲーム26試合で本塁打5本を放ち、13打点を挙げている。

 この文の筆者がなんらかのライティングの賞を受ける気遣いは、近い将来にはおそらくないだろう。それでもこの書きぶりはなかなか大したものだ。ちゃんと読ませるからでも、文法的に正しいからでも、野球の試合を正確に描写しているからでもない。この著者がコンピュータプログラムであるからだ。

 このソフトウェアは〈スタッツモンキー〉といって、ノースウェスタン大学の知的情報研究所の学生と研究者たちが生み出したものだ。ある試合にまつわる客観的なデータを魅力的な語り(ナラティブ)に作り直すことで、スポーツ報道を自動化するようデザインされている。単なる事実の羅列に決してとどまらず、スポーツジャーナリストがこれは欠かせないと思うような情報を、このシステムも同じように組み入れてストーリーにまとめるのだ。〈スタッツモンキー〉は統計分析を行って、試合のあいだに起きた注目すべき出来事を見定める。そして特に重要なプレーやストーリーに不可欠なキープレーヤーに焦点を合わせながら、試合の流れ全体を要約する自然言語のテキストを作り出す。

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