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インダストリー4.0の全貌と日本企業の取るべき道

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クラウド活用で実現する「圧倒的な機動力」

ローランド・ベルガー日本共同代表 シニア パートナー 長島 聡氏

 日本型のインダスタリー4.0を実践するヒントを探る第2回は「リソースマネジメント」です。異次元の見える化によって明らかとなった問題に、圧倒的な機動力で素早く取り組み、効率化やお客様の付加価値につなげていくためには、リソースを過不足なくタイムリーに準備しなくてなりません。今回は、クラウドソーシングをヒントに、リソース逼迫が続く日本企業が挑戦すべき新たなリソース確保のあり方について考えてみたいと思います。

クラウドソーシングの急速な発展

 直近5年、イン・アウトソースからクラウドソーシングという流れが加速しています。生産能力、労働力、電算能力、資金などあらゆる事業リソースが対象です。例えば、生産能力で言えば、インソース、つまり自社工場が、アウトソースであるEMS(受託生産)へと進化し、現在ではクラウドソーシングという選択肢が生まれています。「眠れる印刷機を叩き起こす」というコンセプトで躍進する「ラクスル」や、3Dプリンターで製造を行う工場の受託業務に必要な機能をクラウドサービスを通じてワンストップで提供する「カブク」がその代表例です(図1)。

図1 事業リソースの調達アプローチの変化 図1 事業リソースの調達アプローチの変化

 ラクスルは100社近い中小の印刷会社を組織化、印刷機の空き時間情報を収集し、一般企業の印刷ニーズとマッチングを図るというビジネスを展開しています。空いている機械の中から最適な機種を選び、高い品質を保証すると共に、もともと眠っていた印刷機を使うことで通常より安いコストでのサービスを実現しました。

 これまでの価格や納期が不透明であるといった問題が解消したこととも相まって、サービス開始から1年半で5万5千人の会員を集めるほどの急速な成長です。今後は新聞折り込みやポスティングチラシを手掛け、これまでチラシを使った販促を考えたこともなかった人々を、印刷市場へと呼び込む需要創出へと踏み出しているようです。

 カブクは「時代を超えて愛されるものをつくる・育てる」をコンセプトに、法人や個人、工場向けに、3Dプリント技術のソリューションの提供や、デジタルクリエイターが世界で活躍するためのサポートを行っています。「Rinkak 3D Printing MMS(Rinkak 3D Printing Manufacturing Management Service)」というクラウドサービスは、自動見積り、プリント可否の自動チェック、3Dデータの修正・編集、製造管理、メッセンジャー(依頼主とのコミュニケーション)、決済などをワンストップで行い、ものづくりを支援しています。法人・個人のユーザーと3Dプリンターを持つ工場をつなげ、新たな価値を次々と生み出していくプラットフォームとして機能しているのです。

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