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インダストリー4.0の全貌と日本企業の取るべき道

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現場の強さ+ITで顧客に付加価値を

ローランド・ベルガー日本共同代表 シニア パートナー 長島 聡氏

 これまで5回にわたり、欧州のインダストリー4.0における主要企業の取り組みやその本質、さらには日本型インダストリー4.0のあり方について見てきました。これからの3回は、日本型を実践していく上でのヒントをいくつか取り上げてみたいと思います。第1回目は先進的な日本企業によるお客様起点の付加価値創出です。産業機械のクボタと超精密加工の由紀精密を紹介したいと思います。

農機生産から農家支援へ クボタの挑戦

 クボタは農業機械や建設機械といった産業機械の製造販売で、約1兆6,000億円の連結売上高を誇る企業です。近年、建設機械はオリンピックなどの公共事業に後押しされ好調な一方、農業機械は市場環境が年々厳しくなり低迷していました。足もとの消費税増税など一過性の要因もありましたが、農家戸数やコメ消費の継続的な減少、農業従事者の高齢化など、構造的要因をはらんでいます。

 このような市場環境の変化を受けて、クボタは「農業を科学し、創造する」を合言葉に、農機の技術とIT(情報技術)を組み合わせることで、お客様である農家がもっともうかるようにと、お客様起点の付加価値創出に挑みました。

図表1 クボタの農業支援クラウドサービス(KSAS) 図表1 クボタの農業支援クラウドサービス(KSAS)

 クボタが2014年6月より運用を開始したのは、KSAS(クボタスマートアグリシステム)と名付けられたクラウドサービスです(図表1)。「農業経営の見える化」というコンセプトを掲げ、ITで農家を支援するというものです。KSASでは農業機械のセンサーから得られるビッグデータを分析し、コメ農家の経営カイゼンに活かします。

 具体的には、従来製造販売していた農機にセンサーとGPS(全地球測位システム)を搭載し、田んぼへの肥料撒布量、収穫量、そして収穫したコメに関するたんぱく質・水分の含有量等の情報を取得します。ここでは自社で温めてきた刈り取りと同時に食味と収量を測定できる要素技術が威力を発揮しました。

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