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グローバル競争を勝ち抜く組織・人事

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M&A成功のカギは魅力ある「ストーリー」

マーサージャパン グローバルM&Aコンサルティング プリンシパル 島田圭子氏

 日本企業の活動がグローバル化するのに伴い、経営目標を達成するための人材育成や報酬のあり方、組織運営といった課題が重要性を増している。グローバル経営を加速し、成長を実現するには何が必要か。組織・人事コンサルティングで世界大手のマーサーの日本法人、マーサージャパンのコンサルタントがテーマごとに解説する。
 4回目はM&A(合併・買収)における組織・人事マネジメントのあり方を考える。日本企業が海外企業を買収する際、どんな点に気をつければ組織がうまく機能するのか、陥りやすい失敗は何か。グローバルM&Aコンサルティング プリンシパルの島田圭子氏に聞いた。

経営者の引き留め交渉は複雑に

――日本企業が海外企業を買収する場合、現地の人材をうまく活用できるかどうかが課題になっているようです。

島田 圭子(しまだ けいこ)<br>

マーサージャパン グローバルM&Aコンサルティング プリンシパル<br>

日系企業人事部を経て現職。国内外の企業に対する、M&Aに関わる人事デューデリジェンスおよび組織・人事面での統合支援を中心としたコンサルティングをリード。2002年より企業再生案件、ファンドの投資案件、日系企業同士の大型合併案件に伴う組織・人事統合の支援多数、2004年以降は主に日本企業のクロスボーダーM&Aに伴うプレディールからポストディールまでの一貫した支援を手掛ける。著書に『合併・買収の統合実務ハンドブック』(中央経済社、共著)等がある。青山学院大学国際政治経済学部卒、シカゴ大学経営学修士(MBA)修了。 島田 圭子(しまだ けいこ)
マーサージャパン グローバルM&Aコンサルティング プリンシパル
日系企業人事部を経て現職。国内外の企業に対する、M&Aに関わる人事デューデリジェンスおよび組織・人事面での統合支援を中心としたコンサルティングをリード。2002年より企業再生案件、ファンドの投資案件、日系企業同士の大型合併案件に伴う組織・人事統合の支援多数、2004年以降は主に日本企業のクロスボーダーM&Aに伴うプレディールからポストディールまでの一貫した支援を手掛ける。著書に『合併・買収の統合実務ハンドブック』(中央経済社、共著)等がある。青山学院大学国際政治経済学部卒、シカゴ大学経営学修士(MBA)修了。

 日本企業は買収した企業のマネジメントチームを、リーダーを含め、そのまま残すことが多い。買収直後も業績を堅持しなければならないが、自社やグループ内に、海外企業をマネジメントできる人材が少ないという要因が大きい。これは日本企業に共通の課題といえる。

 従って、買収会社の経営トップを引き留める(リテインする)ことが極めて重要になる。もともと海外、特に米国企業の経営者の報酬水準は日本企業と比較して高い。さらに買収時には、チェンジ・オブ・コントロール条項により、クロージング時に経営者に巨額の報酬が支払われることがある。買収をきっかけに、競合他社が好条件で引き抜きに動くことも考えられる。このように多くの誘惑があるなかで、現経営者に心から納得して残ってもらうことは難しく、多くの企業が苦労されている。

 そもそも人心を扱うことの難しさに加え、買い手となる企業と、買われる側の経営者の思惑の違いが、問題をさらに複雑にしている。最近は、少なくとも一定期間は現経営者に続投してもらい、本当に残ってもらうほどの人材なのか、値踏みしたいという日本企業が増えている。一方、買われる側は少しでも有利な条件を引き出そうと考える。自分が本当に必要とされているか、いつまで働けるか、慎重に見極めようとする。

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