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経営トップのための"法律オンチ"脱却講座

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ケース13:採用は自由、されど解雇は不自由。それも、シビれるくらい不自由

弁護士・ニューヨーク州弁護士 畑中 鉄丸(はたなか てつまる) 氏

今回の悩める経営者:ファイヤー・ソリューションズ株式会社 代表取締役社長 鬼田おにた 厚史あつし(57歳)
相談内容

 先生よ、俺は、絶対、絶対、絶対、許せねえんじゃあ~っっ!

 先生もよう知っとると思うが、世間の景気と全く関係なく、金融関係のシステムの開発からバージョンアップ・保守まで一切合切を請け負う当社には、仕事が山のように舞い込んでくる。ガンガン従業員を集めないと、「今そこにある仕事」が他のライバルに取られかねない状況なんじゃ。

 バブルもバブル、世間に言えば嫌われるくらい、バブルが続いとるんじゃ! リーマン・ショックと震災のときはさすがに参ったが、あれ以来、「従業員がなんぼおっても、人手不足で、猫でも犬でも手を借りたいくらい困っとる」状況なんじゃ。

 とはいえ、ヘンなヤツがおると、それはそれで大変なんじゃ。「言われたことが、言われたとおりできない」という奴も困るんじゃが、何かと人とモメるタイプのヤツ、特に、取引先の金融機関の担当者とか責任者とかとモメるタイプのヤツがおると、頭抱えるくらい大変なんじゃ。

 最近の人材難で、採用の責任者の三沢に「とにかく人を増やせ。言葉を話せて、パソコン使えれば、誰でも構わん」ってことでガンガンあおったら、三沢の野郎、何人か、ヘンなヤツを中途で採用してしまいやがった。

 ソリューション関係の仕事だと、クライアントが何を求めているのかを正確に知る必要があるから、コミュニケーション能力は必須じゃ。ワケのわからんことを言うのがクライアントじゃし、特に金融機関の連中は、大してICTの知識がないくせに、異常にプライドが高い。イライラしないで、相手の話をうまく聞き出して、誘導して、っていうことができてアタリマエ。

 ところが、そういうことができないばかりか、しょっちゅうクライアントとケンカおっぱじめやがって、「コイツは危ないから外で働かせらんない」つうことで、担当替えで内勤させても、仲間ともケンカ始めるヤツがおる。

 「他人と仲良くやっていく」っていう、社会人としてのキホンのキを社内で練習させてやろうっていうのに、全然やる気がないみたいなんじゃ。

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