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従来の会員カードでは見えない「何か」をつかむ

エムアイカード 代表取締役社長 浦田努 氏

 バブルが崩壊した1990年代後半以降、市場の縮小が続いている百貨店業界。三越伊勢丹グループの旗艦店、伊勢丹新宿本店は売上高2584億円で世界最大規模の百貨店として業界をけん引しているものの、市場の縮小に対する同社の危機感は大きい。

 これを背景に、三越伊勢丹は顧客データ活用の高度化を進める。伊勢丹のハウスカードから始まった「エムアイカード」を汎用クレジットカードへと転換し、現在は三越伊勢丹の百貨店はもちろん、それ以外の場所での利用を促すキャンペーンを積極的に展開している。一見すると三越伊勢丹の売り上げには貢献しない施策にも思えるが、実は「従来のハウスカードでは見えない何か」をつかむためだった。エムアイカード代表取締役社長で、日本データマネジメント・コンソーシアム(JDMC)の理事を務める浦田努氏に話をうかがった。(日経BizGate)

「データ分析が不可欠なビジネスモデルになっている」

──三越伊勢丹は業界でいち早く単品管理に取り組み、データ活用を積極的に進めてきたそうですね。

<b>エムアイカード 代表取締役社長 浦田努 氏</b> エムアイカード 代表取締役社長 浦田努 氏

 マーチャンダイジングの基本として、バイヤーは「お客様が欲しいときに、欲しいものを、欲しい量、品ぞろえするのが百貨店の仕事だ」と教わっています。これを実践するには、単品管理の仕組みが必要です。そうでないと、お買い場(売り場※)に不人気な商品がたくさんあってお客様が買い物をしにくい状態になっていたり、人気商品が欠品していたりしてもわかりません。昔はどんなカテゴリーの商品をいくらで買ったというぐらいしかわかりませんでしたが、個々の商品を金額ではなく数量で管理するマーチャンダイジングの基本を実践するための仕組みとして単品管理システムを構築しました。

(※)「売り場」は百貨店側から見た時の言葉であり、それを顧客の視点から捉え直すと「お買い場」となる。三越伊勢丹では、お客様本位の考え方にもとづき「売り場」のことを「お買い場」と呼んでいる。

 百貨店の中で単品管理を始めたのは、当社が最初だったと思います。その後1997年には、単品管理の情報を含め、マーチャンダイジングの分析に特化したMD情報分析システムを作り、2000年代前半にはその単品管理情報を取り込める顧客商品分析システムを構築しました。それにより、顧客と商品が本当の意味で結びつけられるようになりました。

 MD情報分析システムは商品の日々の動きからシーズンの動きまでを分析できるシステムです。一方の顧客商品分析システムは、お客様の買い方からお買い場の仮説を組み立てるために活用されるシステム。例えばお買い場単位で商品の品ぞろえやレイアウトなどのシーズンプランを立案する場合、この2つのシステムを使わないとうまくできません。だから6000人もの人たちが直接、これらのシステムにアクセスします。これは同業でも珍しく、他の業種業態の会社ではないことだと思います。

 言い換えれば、「データ分析が不可欠なビジネスモデル」になっているということです。

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