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超ロジカル思考

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「自分の器を超えた挑戦」ができる人の頭の中

コーン・フェリー・ヘイグループ 高野研一 氏

壮大な「人生50年計画」

 前回の『見えないモノに気づく人、見逃す人』で紹介した、目に見えないものが見えるようになる脳のメカニズムを理解したところで、次に取り組んでもらうのは「自分の器を超えた問題に挑む」トレーニングだ。ここで、「意思を持つことで脳は進化する」と語っていたソフトバンク創業者の孫正義氏に再度ご登場願おう。

 孫さんに関してまず驚かされるのは、19歳のときに「人生50 年計画」を打ち立て、現在までのところそれを着実に実行してきていることだ。また、その50年計画の中身がすごい。「20代で名乗りを上げ、30代で軍資金を1000億円貯め、40 代でひと勝負し、50代で事業を完成させ、60代で事業を後継者に引き継ぐ」。

 20代で名乗りを上げるところまでは誰にもできるが、「30代で軍資金を1000億円貯め」といった瞬間から、雲をつかむような話になってしまう。こうした、自分の器をはるかに超えた挑戦を自らに課しながら、脳を進化させてきたのが孫さんなのである。

「見えている世界」の境界でアイデア出しの筆が止まる

 さて、孫さんは30代で1000億円の事業価値を生み出すことを自らに課した。とても自分の専門性や経験だけで解決できる問題ではない。こうした問題に対して、どうやって解決策を見出したのだろうか。

 この問いについて考えるために、ここでひとつエクササイズに取り組んでもらおう。

 どうだろう、いいアイデアは出てきただろうか。

 私はよく企業向けのビジネスリーダー育成プログラムの中で、さまざまな企業の幹部候補の人たちにこの問題を解いてもらう。そのとき、多くの人がやってしまいがちなのが、頭に思い浮かんだアイデアを箇条書きにして並べていき、その中から最もインパクトの大きそうなものに丸をつけるというやり方だ。

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