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経営トップのための"法律オンチ"脱却講座

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ケース9:契約書にハンコ押さなきゃ、どんなにデカい取引もドタキャンし放題!?

弁護士・ニューヨーク州弁護士 畑中 鉄丸(はたなか てつまる) 氏

今回の悩める経営者:株式会社ネプチューンレジャーグループ 代表取締役社長 名黒なぐろ じゅん(55歳)
相談内容

 我がネプチューンレジャーグループは、レジャーホテル、まあ、言ったらラブホテルですね、もっと昭和風にぶっちゃけると「連れ込み旅館」ですが、これを、「ネプグループ」ブランドで全国にチェーン展開中です。

 え、何? 「連れ込み旅館」はさすがに誰もわからない?こりゃまた失礼しました。

 で、なんですが、最近の円安効果で、外国人観光客がうじゃうじゃ来日して、一般のホテルとかはずいぶん景気がいいんですねえ、これまた。しかし、私などは、「当社みたいな超ドメスティックな会社は、ま、全く関係ねえか」、なんて思っておりました。

 そしたら、我が社にもチャンスが巡ってきたんですよ!

 この間、高校の同級生でね、大手メーカーに就職したと思ったら、リストラされて中国に渡って、日本旅行専門の旅行代理店立ち上げて大成功した「祝(ほうり)建(けん)」という奴と飲む機会があって、ちょっと盛り上がっちゃいまして。

 そいつが言うには、「歌舞伎町とかバスツアーで夜通ると、バスに乗った中国の観光客のお客さんから、『あのネオンが輝く、いかにも楽しそうな施設は何ですか?』という質問がスゲー多いんだよね。ほんでさ、"ラブホテル"というものについて、システムとか、料金体系とか、中で何をいたすか、といったことを説明したところ、お客さんが『なんて合理的で、素晴らしいシステムなんだ!』という話になって『好吃(ハオツー。素晴らしい)』連発なんだよね。そこでさ、相談なんだけどさ、純ちゃんところのラブホテルをツアー見学に組み込めないかな? もちろん、金はちゃんと払うよ。当たり前だけど、お客さんのいない部屋でいいんだよ」なんて言うもんで、「プチ社会見学」みたいな感じで、北京からの御一行様連れて、我がホテルの空き室の大見学ツアーやったんですよ。

 そしたら全員、「好吃(ハオツー)」連発でして、ツアーでいらっしゃった倦怠期風の中高年のご夫婦3組ほどが、高級ホテル抜けだして、当ホテルに泊まっちゃった。帰り際も、「好吃(ハオツー)」連発で、いやぁ、いいことしたなぁなんて。

 そこで考えたわけですよ。「もう、こりゃ、中国、韓国のお客を、大大的に、日本のアングラサービスの最奥部である、我が『ラブホテル』サービスに取り込んで大もうけしてやろう!」と。

 早速、中国語、韓国語にも対応できるネット予約システムを構築して、海外からも直接予約しやすくすることにしたんです。「時間貸しでの予約OK!」ってのが売りです。

 といっても、予約しといてバックレられても困るので、「クレカで前精算必須」とか、いろいろ機能をテンコ盛りにする必要があったりして、ま、ちょいとややこしいシステムが必要になります。

 で、システム開発なんですが、今までも、清掃のおばちゃんのシフト管理とか空き部屋の表示システムとか、そんな、当グループのちょこちょことした仕事を発注してやってた、これまた大学時代の友人の「葉陀羅(はだら)泰三(たいぞう)」が経営している「葉陀羅(はだら)システム・エンジニアリング株式会社(以下、「葉陀羅(はだら)システム」)」ってところに、一式で開発委託することにしたんです。

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