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その広報活動の効果測定、もはや牧歌的すぎる

トライバルメディアハウス 池田紀行氏

 世の中、正確な効果測定が難しいものは山ほどある。特に「無形の成果」の測定は難しく、代替的な評価指標には多くのあいまいさが残る。

 企業の「広報活動」の効果測定もその1つ。以前から「広告換算値」という指標で広報活動の効果測定がなされてはいるが、実のところ単純な指標であり、当然あいまいさも多い。そもそも「広告換算値」という指標が、「いったい何のために広報活動をしているのか?」という本質的な問いに答えていないことが問題である。今となっては牧歌的すぎて時代遅れになりつつある。

 今回は、広報活動に対する新しい効果測定のあり方について考えてみたい。また、効果測定にもとづく施策の決定において、危うい風潮があることにも注意を喚起したい。

広告換算値だけでは顧客への影響力を測れない

 広報の仕事は「会社のPR」。マスコミや顧客に向けて、自社の広報メッセージ(新製品情報や経営方針など様々)を発信していくことだ。マスコミ向けに記者会見を開いたり、ニュースリリース(報道発表)を配信したりすることで、自社の広報メッセージをテレビのニュース番組や新聞・雑誌の記事などで取り上げてもらい、それらを通して顧客にメッセージを伝える。

 ここで、テレビや新聞・雑誌に取り上げられた広報メッセージの内容・露出量を調べ、「もしこれが有料の広告だったとしたら、XX万円に相当する」と定量化(金額に換算)する指標が「広告換算値」である。無形の広報活動の成果を客観的に評価する指標として、一定の納得感はあるだろう。

 ただし、広告換算値は広報メッセージの「露出量・露出効果」を換算することはできても、顧客にどの程度メッセージが「刺さったか」まではわからない。これが広告換算値の限界だったのだが、最近は状況が変わった。より詳細に広報活動の効果を検証できるようになったのである。決め手はソーシャルメディアだ。

「合わせ技」にシフトする広報の活動領域

 あまり知られていないが、広報とソーシャルメディアの相性は抜群に良い。その相性の良さを生かすべく、最近の広報活動はソーシャルメディアとの「合わせ技」へ急速にシフトしてきている。

 ここで、企業と顧客の間のコミュニケーションが下図のような4つのメディアを通して行われているとするなら、次世代広報の活動範囲はかなり広い。

<b>4つのコミュニケーションメディアと“次世代広報部”の活動領域</b> この4つのメディアは、「トリプルメディア(※)」をもとにアーンドメディアからソーシャルメディアを独立させたもの 4つのコミュニケーションメディアと“次世代広報部”の活動領域 この4つのメディアは、「トリプルメディア(※)」をもとにアーンドメディアからソーシャルメディアを独立させたもの

(※)トリプルメディアとは、(1)ペイドメディア(Paid Media)、(2)アーンドメディア(Earned Media)、(3)オウンドメディア(Owned Media)という役割が違う3つのメディアを組み合わせて、顧客と効果的にコミュニケーションするためのフレームワーク。

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