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創造を支えるビッグデータ活用の針路

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不動産売買の「買い主不利」はもう終わり!?

おたに 小谷祐一朗氏

2014年から2015年にかけて、オープンデータやビッグデータに関連する数々の賞を獲得した新手のサービスがある。住宅の間取りや構造、町や駅のブランド力などを多面的に考慮しながら不動産物件の販売価格を予測する「GEEO(ジーオ)」だ。買い主が不利になりがちな市場の不均衡を是正すべく、同サービスを単独で開発したデータサイエンティストの小谷祐一朗氏に、新サービスの立ち上げの経緯と国内におけるビッグデータ活用の課題を聞いた。

――公開されたデータを駆使して不動産価格を査定するサービス「GEEO」が注目されています。その立ち上げにあたって、どういった問題意識があったのでしょうか。

<b>小谷 祐一朗(おたに ゆういちろう)氏</b><br>おたに代表取締役<br><br>

米国の大学院でデータ分析を学ぶ。帰国後の2010年3月に、ウェブサイト/ウェブアプリケーションの最適化やマーケット調査・分析を手掛ける「おたに」を起業して代表取締役に就任。オープンデータを活用して全国各地の不動産物件の販売価格を予測するサービス「GEEO(ジーオ)」を開発。GEEOは2014年11月、Mashup Awards実行委員会が主催し、総務省や経済産業省、内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室が運営パートナーを務める「Mashup Awardsオープンデータ部門賞」で最優秀賞を受賞。 小谷 祐一朗(おたに ゆういちろう)氏
おたに代表取締役

米国の大学院でデータ分析を学ぶ。帰国後の2010年3月に、ウェブサイト/ウェブアプリケーションの最適化やマーケット調査・分析を手掛ける「おたに」を起業して代表取締役に就任。オープンデータを活用して全国各地の不動産物件の販売価格を予測するサービス「GEEO(ジーオ)」を開発。GEEOは2014年11月、Mashup Awards実行委員会が主催し、総務省や経済産業省、内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室が運営パートナーを務める「Mashup Awardsオープンデータ部門賞」で最優秀賞を受賞。

 かつて宅地建物取引業を営んでいる身内の会社を手伝っていた際、不動産取引は買い主と売り主との間に情報の偏りがあって、買い主に不利な状況を生み出しているのではないかと疑問を持ちました。売り主は自分の不動産なので物件の内容はよく知っています。しかし、取引を仲介する不動産会社に連れられて物件を内覧する買い主は、その段階では限られた情報の中で物件の価値を判断しなければなりません。生活の基盤となる不動産の市場に残るゆがみを是正するには、買い主が入手できる情報量を何らかの形で底上げする必要があると考えました。

 土地に関しては路線価が公開されていますが、一般の消費者には見方がよく分かりません。仮に路線価を知ることができても、築年数や最寄り駅などによって価格を形成する条件は変わってきますし、建物部分を含む物件の相場観をピンポイントで把握するのは困難です。結局のところ判断材料が乏しい中、一生で一番高い買い物と言われる不動産を、住宅ローンを組んで購入せざるを得ません。

 少なくとも、物件の相場観を買い主が共通に把握できる基盤があってしかるべきなのではないか。そう考えて無料で公開したのがGEEOです。

――確かに、不動産は大まかに区切ったエリアごとの価格上昇や下落の傾向は分かるけれども、個別の物件の相場観はわかりにくい。

 そのうえ不動産の価格は、実にさまざまな要因で変わります。ですから、何を基準に相場観や自分なりの値ごろ感を判断するのか、極めて悩ましい商品だと思います。

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