日本経済新聞 関連サイト

日経ソーシャルイニシアチブセミナー

記事一覧

震災から4年、課題先進地・東北に学ぶ企業のソーシャルビジネスのこれから

 「震災から4年、課題先進地・東北に学ぶ企業のソーシャルビジネスのこれから」と題する「日経ソーシャルイニシアチブセミナー」(主催:日本経済新聞社デジタルビジネス局)が2015年3月12日、開催された。基調講演に立った菅野武氏は、南三陸町志津川病院に勤務中、被災した自らの経験を踏まえ、「日本の課題を自ら考え、プロフェッショナルとして自分ができることを探してほしい」と訴えた。パネルディスカッションでは、東北でソーシャルビジネスやCSR活動に携わるパネリストが、それぞれの先進事例を紹介するとともに、ソーシャルビジネスの「次の一手」について議論した。


基調講演「東日本大震災の経験から日本の課題を考える」

菅野 武氏

 元南三陸町志津川病院内科医長
 東北大学大学院医学系研究科消化器病態学分野
 高知県災害医療アドバイザー

菅野 武氏 菅野 武氏

 今日は「3月11日から新しい一歩を踏み出す3月12日だ」と思いながら参りました。「東日本大震災の経験から日本の課題を考える」という大きなテーマをいただきましたが、被災した医療者として生き延びてきた私の経験を通して、「もともと地域が抱えていた問題は震災によってどうなったか」「困難を乗り越える力はどこから生まれるのか」といったことを一緒に考えていただければと思います。

 当時、私は宮城県南三陸町で唯一入院施設を持つ公立志津川病院で、医者が2人しかいない内科の医長をしていました。高齢者医療を志し、へき地と呼ばれる地域に喜んで飛び込んだものの、実際に「治せる」人はごくわずか。理想と現実のギャップに、最初は無力感でいっぱいになりました。その頃出会い、今も大事にしているのが、「時に癒し しばしば支え 常に慰む」という言葉です。地域医療の現場では、必ずしも「治す」ことだけが目標ではないと気づかされました。

PICKUP[PR]