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連続する環境変化に弱い日本企業、克服の必要条件とは

XEED 波頭亮氏

 前回の『「日本の企業だからこそ」の構造的競争優位性を求めて』で指摘したように、日本と米国の企業では、その成り立ちの原点からして大きな相違がある。米国の企業が「資本を増殖させるための機関/システム」であるのに対して、日本の企業は「人々が生きて働く場」なのである。そして、この相違は国の文化や歴史、人々の価値観や行動様式に根ざしているものであり、単に企業の形態や諸制度だけでなく、様々な社会のしくみと密接に関係して成立・運営されているものなのだ。

 したがって、事業環境や競争条件が変わったからといって、木に竹を継ぐように日本企業が米国型の経営スタイルを単純に導入しても、うまくいくわけではない。そこで働く人々は違和感をおぼえるであろうし、「全力で仕事にコミットしよう」という気にはなれないだろう。取引先や関係会社との連携もスムーズにはいかない。

 これでは、かつて日本企業が「日本的経営」によって実現できていた長期的・安定的な発展が成立し得ないのは当然である。

 今回は、このような理解を前提に、"日本企業ならでは"の構造的競合的優位性を持った「新・日本型経営」を打ち立てることができるのか、考察していきたい。

1990年代、日本の強みが弱みに転じた原因を再点検

 最初に考慮すべき要素と条件を、次のフレームワークに従って整理しておこう。

「制度」=「理念」×「環境」

 日本社会と日本人の価値観・行動様式に根ざして成立していた「日本的経営」と呼ばれる80年代までの日本企業の経営の特徴は次のようなものである。

(1)制度
  ・三種の神器(終身雇用、年功序列、企業別労働組合)

(2)理念
  ・社会は株主の所有物というよりも、従業員が生きて働く場
  ・カネよりもヒトを最も重要な経営資源と見なす「人本主義」
  ・短期的利益よりも長期的・安定的発展の重視

(3)環境
  ・高度経済成長期、人口の増加トレンド
  ・重厚長大型製造業が主流産業
  ・輸出中心の国際展開

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