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プロボノワーカーとNPOを独自のノウハウでマッチング

嵯峨生馬 サービスグラント代表理事に聞く「新しい社会貢献のかたち」

 最近、「プロボノ」という言葉を耳にするようになった。プロボノとは「職業人(プロ)として培ったスキルやノウハウを提供して社会に貢献するボランティア活動」のこと。この言葉が世間に認知され始めた背景には、プロボノに携わるボランティア・スタッフ、通称「プロボノワーカー」たちとスキルやノウハウを提供してもらう側のNPOをつなぐ中間支援団体(NPOを支援するNPO)の増加や取り組みの活発化がある。

 なかでも国内のプロボノをリードしてきたのが「サービスグラント」だ。サービスグラントには2364人が登録、これまでに取り組んだプロジェクトは193に及ぶ。現在も132人のプロボノワーカーが21のプロジェクトに取り組んでいる(2月26日現在)。

 なぜ、サービスグラントは、日本にプロボノという新しいボランティア・スタイルを定着させることができたのか。サービスグラントの創立者であり、代表理事を務める嵯峨生馬氏に話を聞いた。

プロボノの中間支援団体の草分け的存在

 プロとしてのスキルやノウハウを使ったボランティア活動は、弁護士の世界では、無料法律相談、無料弁護活動などとして、以前から行われていた。しかし、2001年、アーロン・ハーストによって米国で設立された中間支援団体「タップルート」は、マーケティングやデザインなどのスキルやノウハウを持ったプロたちをNPOにボランティアとして紹介することで、組織の運営に必要な広報活動などの支援を始めた。

 この取り組みに啓発されて、2005年、プロボノとNPOをつなぐ中間支援団体として活動を始め、2009年にNPO法人として設立されたのが、「サービスグラント」である。

 サービスグラントの支援は、プロボノワーカーとNPOをマッチングして、約6カ月の「プロジェクト型助成」を提供するかたちで行われる。

 サービスグラントには、ウェブ制作やデザイン、マーケティングなど、プロとしてのスキルを持つ社会人が「プロボノワーカー」として登録されている。支援を求めてきたNPOは、サービスグラントによって厳正に審査され、採択される。そのNPOの求めるニーズに合わせて、プロボノワーカー4〜6名からなるプロジェクトチームが編成され、約6カ月間のプロジェクトによって、「ホームページのリニューアル」や「印刷されたパンフレット」など、具体的な成果物を提供することで、NPOの活動を支援しているのである。

<b>嵯峨 生馬(さが いくま)</b><br>

 1974年横浜市生まれ。98年東京大学教養学部教養学科第三(相関社会科学)卒業、日本総合研究所入社。2009年特定非営利活動法人サービスグラントを設立、代表理事に就任。特定非営利活動法人アースデイマネー・アソシエーション代表理事も務める。著書に「プロボノ-新しい社会貢献 新しい働き方」(勁草書房)、「地域通貨」(NHK生活人新書)など。 嵯峨 生馬(さが いくま)
 1974年横浜市生まれ。98年東京大学教養学部教養学科第三(相関社会科学)卒業、日本総合研究所入社。2009年特定非営利活動法人サービスグラントを設立、代表理事に就任。特定非営利活動法人アースデイマネー・アソシエーション代表理事も務める。著書に「プロボノ-新しい社会貢献 新しい働き方」(勁草書房)、「地域通貨」(NHK生活人新書)など。

 サービスグラントの創立者で代表理事の嵯峨生馬氏は言う。

 「最近は『プロボノ』という言葉を知っている人も増え、一昔前に比べれば、市民権を得た感があります」

 嵯峨氏の言葉通り、現在は「ソーシャルベンチャー・パートナーズ(SVP)東京)」や「二枚目の名刺」のほか、経営コンサルティングを得意とする「プロボネット(プロボノ・コンサルティング・ネットワーク)」、ウェブやパンフレットの制作などコミュニケーション関連の取り組みが中心となる「a-con(action unit for communicative NPO)」、システムのプログラマーなどで構成される「Code for Japan」、映像制作のプロボノワーカーが集う「PVプロボノ」など、業界・専門分野別のプロボノの中間支援団体が活動している。

 これらのプロボノの中間支援団体の草分け的存在であり、NPOの運営のさまざまな分野で高い支援実績を誇るのが「サービスグラント」である。

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