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藤元健太郎の「CMO戦略企画室」

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アマゾンと競う、ネット・店舗連携のタイムレース

D4DR 藤元健太郎氏

 お店の中で商品を手に取り、比べながら買い物をするのは楽しい。しかし、買うものが決まっていて、同じ値段で「すぐ」「確実に」配達してくれるネット通販があれば、消費者の多くは店舗に行くよりそちらに流れてしまう。勝負の分かれ目となる「すぐ」「確実」という2点において、リアル店舗を持つ小売りとネット通販事業者の間でタイムレースが繰り広げられている。

アマゾン、NYマンハッタン限定で驚異の「1時間配送」

 2014年12月、ネット通販のアマゾンがニューヨークのマンハッタン地区で、1時間以内に商品を配送するサービスPrime Nowをスタートした。地域限定サービスとはいえ、これまで最短だった同社の「当日配送」を大幅に上回るスピードだ。

 Prime Nowでは、マンハッタン内に設置した物流倉庫から、交通渋滞に強い自転車で配送する。アマゾン・プライム会員(※)向けの専用アプリを使って注文し、7.99ドルの配送料を払うと1時間以内に届き、2時間以内でいいなら配送料が無料になる。7.99ドルの配送料金を「高い」と感じる人は少なくなさそうだが、2時間待てるなら無料なので使い勝手はよい。一部の報道で、アマゾンがマンハッタンに店舗を出すのではないかと噂されていたが、店舗より、もっと便利なサービスが始まったと言えるだろう。2015年中には、ほかの地域にも広げていきたいようだ。

(※)当日配達や配達日時指定の配送料が無料または割引になる会員制サービス。年会費は米国で99ドル、日本で3900円。

 Prime Nowで扱う商品は、日用品やオフィス用品の中で「今すぐ欲しい」という需要の高いものが多く、日本のコンビニエンスストアと取り扱い商品の一部が重なる。それらに加えPrime Nowでは書籍、家電製品、おもちゃなども扱う。商品の種類は限られているが、それでも2万5000点以上あるという。

 ちなみに、日本の都市部であれば10分、20分もあれば近くの24時間営業のコンビニに行くことが可能であり、急ぎで必要なものはかなり手に入れられるのではないだろうか。ただし、1店舗で扱う商品点数は2000~4000くらいだろう。

配送の確実性とスピードを磨き続けるアマゾン

 初期のアマゾンの競争力と言えばやはり「価格」であった。新刊本がどこよりも安く手に入るアマゾンの魅力で利用者が劇的に増えたのは間違いない。

 しかし、初期のアマゾンの戦略的転換点は、1999年頃からスタートした大規模な倉庫投資だったといえるだろう。巨額な赤字を垂れ流すアマゾンがさらに無謀な投資をするということで、当時のアナリストたちから猛烈な批判をあびたが、結果的には全米に8つの倉庫を整備したことが、アマゾンのその後の急成長につながった。

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