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現場スピードを極める情報活用

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協力:サイボウズ

「ダメな情報活用」を改める3つの鉄則

日経BPビジョナリー経営研究所 谷島宣之

経営幹部:「営業のやり方と組織を来年4月から変えたいと思う」

情報システム責任者:「営業担当者が使う情報システムを直さなくてはなりません。最短でも半年かかりますから4月に間に合わせるのは無理です」

 情報システムを巡って経営幹部と情報システム責任者の間でこうした対話がしばしばかわされる。「情報システムの修整が必要になる依頼はできれば1年前から言ってほしい」などと言われた経営幹部は「なぜそれほど時間がかかるのか」「遅い」と立腹する。

経営幹部:「期末の見通しで情報システム部門は予算を超過するというが、全社を挙げて経費削減を進めている時に一体何をやっているのか」

情報システム責任者:「お言葉ですが工場、営業、経理、人事、各部門長から『どうしてもやってくれ』と言われた案件をすべてこなしたらこうなったのです」

 これもよくある話である。システム責任者の弁明を聞いた経営幹部は、「いずれも大きな案件とは思えない。なぜそれほど金がかかるのか」「高い」と立腹する。

営業部長:「出来上がったシステムを検収してほしいと言われたが、一番大事な機能に不足があるではないか。これは使い物にならない」

情報システム責任者:「開発を始める前、用意する機能の一覧をまとめた文書をそちらに提出し、承認いただいています。その通りに作りました」

 せっかく出来上がった情報システムを試してみた現場が「使えない」と言い出すことがある。押し問答の末、現場はとりあえずシステムを使い始め、システム部門は改良を急ぐことになった。だが現場は「使いにくい」「このシステムではまずい」と立腹する。

失敗に至る流れはいつも同じ

 企業の現場が仕事を効率よく、効果的に進めるためには、仕事の状況に応じて素早く判断を下さなければならず、それには情報が欠かせない。さらに組織の機動力を増すために、本社、工場、得意先などに散らばる社員の間で、すぐに連絡を取り合えるようにしたい。いつでも、どこにいても情報を入手し、使え、発信できれば、現場の活動を速められる。

 ところが情報を提供したり、やり取りしたりする情報システムを用意しようとした途端、面倒が起き、経営幹部や現場は「遅い・高い・まずい」と不満を抱く。システムの準備に手こずると、情報活用も遅れ、金がかかり、まずい結果がもたらされる。

 経営幹部や現場からの批判に対し、情報システム責任者や情報システム部門にも言い分がある。次のような流れがいつも繰り返され、「遅い・高い・まずい」事態になってしまうという。

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