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教育CSR特集

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協力:コニカミノルタ

新入社員が出前授業、高校生が企業に新事業を提案・・・"大人も子供もともに学ぶ"教育CSRの新潮流

 企業の社員が学校に出向いて授業を行う「出前授業」など、教育分野への社会貢献活動(教育CSR)に力を入れる企業が増えている。複雑化・多様化する教育課題に学校だけでは対応しきれなくなっていることに加え、企業の側でも、そうした活動が社員の成長や士気向上につながるといったメリットが認識されつつある。教育CSRが注目される背景やその意義について、企業や教育現場の関係者に聞いた。

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「反転させて書きやすい文字に変えたほうがいい」「もう少し青を足そう」などと意見やアイデアを出し合いながら実験を重ねていく。 「反転させて書きやすい文字に変えたほうがいい」「もう少し青を足そう」などと意見やアイデアを出し合いながら実験を重ねていく。

 「トナーを塗る場所をつくり、トナーを乗せ、紙に写す。その方法をさっき説明した静電気の4つの性質を使って、各班で考えてみよう」

 講師の問いかけに、生徒たちが活発に議論し始めた。

 「トナーはマイナスだから、まずは表面にマイナスの静電気を帯びさせる必要があるね」「水ペンで書けば、その部分は電子が逃げるよね」「ドライヤーで乾燥させた後はどうすればいいのかな?」

 コニカミノルタが10月に、東京都立戸山高校(新宿区)で行った出前授業での一こまだ。授業を受けたのは、先進的な理数教育に取り組むスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されている同校で、理数課題研究の授業を選択している1年生。「コピー機の仕組み」をテーマに、静電気の特徴を学び、帯電機や現像ローラーなどを使った手動コピー実験に挑戦した。

身近な製品を通して学ぶ「理科の原理」や「社会」とのつながり

 授業を受けた男子生徒は、「電圧の調整など、自分たちで工夫を重ねるうちに、だんだんきれいにコピーできるようになったのが嬉しかった」と感想を話してくれた。将来は科学者になりたいという女子生徒も、「静電気のような小中学校から学んできた原理で、普段使っているコピー機が構成されていることを初めて知った。将来の専門分野を考えるうえでもとても参考になる」と、授業に刺激を受けた様子だった。

最後は投票により出来栄えを競わせるなど、飽きさせないよう工夫して授業を進めた。 最後は投票により出来栄えを競わせるなど、飽きさせないよう工夫して授業を進めた。

 同クラスを指導する田中義靖教諭は、企業の出前授業を取り入れる意義について、「1つの製品ができるまでに、どんな人たちがどんなふうに関わっているのか、具体的なイメージを持つことができれば、大学卒業後まで見据えて進路を選びやすくなる。もっと多くの企業に気軽に来てほしいですね」と話す。

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