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日経ソーシャルイニシアチブセミナー

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連携により広がるNPOの活動、企業の視野、事業・・・今話題の最新事例に学ぶ「企業×NPO」の可能性

 2014年8月25日開催の「日経ソーシャルイニシアチブセミナー」(主催:日本経済新聞社デジタルビジネス局)では、「今話題の最新事例に学ぶ 『企業×NPO』の可能性 ~社会を変えてゆく 人と組織のチカラ~」と題したパネルディスカッションを実施。パネリストが手がける最新事例を基に、企業とNPOの連携のあり方やその可能性について議論した。

左から小沼氏、水田氏、鈴木氏、佐藤氏 左から小沼氏、水田氏、鈴木氏、佐藤氏

パネリスト:
 小沼大地氏(NPO法人クロスフィールズ代表)
 佐藤大吾氏(一般財団法人ジャスト・ギビング・ジャパン代表理事)
 水田博子氏(三菱地所 環境・CSR推進部 主事)
 鈴木有紀子氏(日本ユニセフ協会 個人企業事業部 主任)
モデレーター:日経BP社 日経ビジネス発行人 高柳正盛

司会 ソーシャルビジネスへの期待が高まる中で、企業とNPOの連携が注目を集め、目覚ましい成果を上げるケースも出てきている。今日は両者の連携について、さまざまな角度から考えてみたい。まずは、それぞれの取り組みについて伺いたい。

途上国と日本企業をWin-Winの関係で結ぶ「留職」

小沼 クロスフィールズでは2011年から、日本企業の社員を途上国のNPOや行政機関に派遣し、そこで数カ月間、本業のスキルを使って貢献してくる"企業版青年海外協力隊"のような取り組みを展開している。

 この「留職」は現地への貢献プログラムだが、「新興国で社会課題に挑む」という体験は、企業側にも(1)グローバルあるいはタフな環境で活躍できるリーダーの育成(2)現地のニーズを肌感覚で理解することや、新たな事業アイデアの発見(3)本業のスキルを通じた社会貢献による、社員のモチベーション向上や社内活性化――といったメリットがあると考えている。

 具体的なイメージをお伝えするため、パナソニックからベトナムのNGOに派遣されたYさんの事例を紹介したい。このNGOは、電気がない村に、太陽光を活用した加熱調理器具を提供しているが、生産コストが高すぎて、低所得者層に届けられないという問題を抱えていた。Yさんは派遣後、他の部署の人たちとのスカイプによる作戦会議や、フェイスブックでの活動報告などを頻繁に行い、いつの間にか会社としてNGOを応援するような展開になっていった。

パラボラアンテナのような形状に鏡を敷き詰め、太陽の光を集めて発生した熱を利用する調理器具。 パラボラアンテナのような形状に鏡を敷き詰め、太陽の光を集めて発生した熱を利用する調理器具。

 若手メンバーだけでは解決できない課題にぶつかったときは、夜遅く手伝いにきた「伝説のエンジニア」が、その場にあった紙とセロテープでプロトタイプを作成。Yさんは1週間ほど徹夜状態で製品化し、コストを20%削減できる調理器具を作り上げた。

 最後にYさんが、その調理器具で作った肉じゃがの写真をフェイスブックにアップすると、「我々はこういうことをやるために企業で働いているんだ!」「社会を良くするためにものづくりがあるんだ!」といったコメントが次々に寄せられた。これからも「留職」を1つの媒介に、「社会的な価値の創出」という企業活動の根本に立ち返って組織の未来を切り開けるリーダーを生み出していきたい。

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