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経営トップのための"法律オンチ"脱却講座

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ケース1:個人情報がダダ漏れ状態になってしまった!!

弁護士・ニューヨーク州弁護士 畑中 鉄丸(はたなか てつまる) 氏

今回の悩める経営者:(株)寸銅講ずんどうこう教育出版 代表取締役社長 永川えがわきよし(36歳)
相談内容

 ご承知のとおり、当社は、教育機関や検定機関などから委託を受け、いろいろな検定試験などを実施するとともに、検定合格のための問題集の販売や通信教育の提供をしております。

 少し前の検定ブームにあやかって当社の業績もうなぎ上りでした。

 最近では、子ども向けの教育事業に大きく乗り出しましたが、もちろんこれも大当たり。少子化なんてことが言われ続けていますが、その半面、子どもの教育には湯水のようにお金をかけていただけるもので、少子化なのにあえてそこに突っ込む、そして知育や早期英語教育といったコンテンツをどんどんと充実させ、「子どもの教育」というセグメントを囲い込んでしまったわけですよ。

 と、ここまではよかった。

 ところが、この子どもの教育コンテンツユーザーの情報それ自体が、とんでもなく大きな価値が生じたようで、この「宝の山」に目をつけた連中がいたんです。

 事件ですが、子ども向け教育コンテンツユーザーの情報を、すべて、まるごと、一式、マルっと、派遣従業員に盗み取られ、名簿屋に売り飛ばされてしまったようなんです。

 悪いことに、当社で扱っている情報には、プログラム受講生の生徒の名前、住所、生年月日はもちろん、そのご両親の職業といった情報まで含まれていたんです。「子どもの教育」セグメントを狙っている会社は他にもたくさんありますからね、既にその内の何社かが名簿業者から購入しているらしく、なんと2000万件!にも及ぶ個人情報が流出してしまったんです。

 社内で調査したところ、派遣従業員に盗み取られたことは明らかだと思うのですが、文部科学省から天下りしてきたエラそうな役員の1人が、やれ、生徒や親に直接謝罪したほうがいいとか、もっと誠意を見せるべきだ、とか騒ぎ始めたのです。確かに急激に伸びた事業ということもあって、管理が追いついていなかったこともあろうと考えておりますし、件数も大規模なこともあり、直接の責任が当社にないとはいえ、早急に何か申し開きをしないといけないとは思っています。

 まぁ結局、一人あたりいくらかを支払って勘弁してくださいって感じになろうかとも考えているのですが、先生、個人情報漏洩の場合の賠償額の相場ってものを教えてもらえますか。

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