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もう「顧客に聞いたニーズ」では儲からない

顧客を巻き込んだ「共創」だからこそ見えてくる未知の領域

トライバルメディアハウス 池田紀行氏

共創マーケティングって何をやること?

 さて、では共創マーケティングとは、いったい何をやり、どんなマーケティング効果を得る取り組みなのだろうか。下図に示す共創マーケティングの構造を見てほしい。

<b>共創マーケティングの2階建て構造</b> 共創マーケティングの2階建て構造

 この図は2階建ての家をイメージしている。共創マーケティングの主目的は、2階部分の「顧客理解」と「価値共創」である。そして、その2階を実現させるために、土台としての1階、つまり顧客と中長期的につながり(エンゲージメント)、相互の信頼関係を強めていく共創コミュニティーが必要となる。1つずつ簡単に解説しよう。

■エンゲージメント

 「深い顧客理解」も「顧客との共創」も、共創コミュニティーにいる顧客と企業との間に深い信頼関係がないと、絵に描いた餅で終わってしまう。顧客が共創活動に積極的に参画してくれるのは、企業やブランド担当者と中長期的につながり、対話し、相互に強い信頼関係が築けているからこそだからである。

 エンゲージメントは2階部分を実現するための基盤ではあるが、共創コミュニティーにいる顧客(=ブランドの熱心な支持者)とエンゲージメントを深めることによる直接的なマーケティング効果もある。それが、ライフタイムバリュー(LTV※)の向上と、ネット・プロモーター・スコア(NPS※)の向上である。これはコミュニティーにおけるエンゲージメントが、ブランド想起率、好意度、購入意向の向上といった意識変容を促進し、それがLTVの向上や友人・家族への口コミ(推奨)という態度変容に影響を与えることと同様である。

(※)ライフタイムバリュー(LTV)は、顧客が生涯にわたってもたらすであろう利益の総和を指す。顧客生涯価値ともいう。ネット・プロモーター・スコア(NPS)は、顧客のブランド支持度を測る指標の1つ。「推奨者正味比率」ともいう。顧客に「あなたはこの製品/サービスを友人に薦めるか?」と質問し、その答えから「推奨者(プロモーター)」「中立」「批判者」の3グループに分け、「推奨者の数-批判者の数」でNPSを算出する。

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