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もう「顧客に聞いたニーズ」では儲からない

顧客を巻き込んだ「共創」だからこそ見えてくる未知の領域

トライバルメディアハウス 池田紀行氏

 私たちは、そろそろ「いままでと同じマーケティングでは、もはや新しい市場をつくることはできないのだ」という冷酷な現実に気づかなければならない。

 もう何年も前から市場が成熟化し、商品のコモディティー化と価格競争が進んでいるのに、多くの企業は市場調査を繰り返しても有効な打開策を見つけられず、袋小路に入ってしまったかのようだ。もはや商品スペックやフィジカルベネフィット(物理的な便益)では、消費者の購買意欲を刺激することも、他社との差別的な競争優位性を確保することも難しくなっている。この状況があらゆる市場セグメントに波及した今、市場のほぼ全体がレッドオーシャン(血の海)のようになっている。

 「競合がいない、自社だけのブルーオーシャン(青い海)なんて、もう存在しない」という声もある。だが、それでは利益率の低下に歯止めがかからず、いつかやってくる「負け」を座して待つだけになってしまう。

 そうではなくて、発想を変えてブルーオーシャンを見つけ出し(創造し)、新しい市場のイニシアチブを握り、利益率を高めていかなければならない。青い海は今まで探したことのないところにあるのだが、案外身近にあるかもしれず、探す努力を続けていけば、いつか出会えるはずである。

 ただし、「顧客にニーズを尋ねる」という従来のマーケティング調査では、儲かる市場を見つけるのは難しいだろう。「聞けば分かること」の中に、もはや顧客の未充足ニーズはないと思うからだ。

青い海は「未知の窓」の中

 照準を合わせるべき場所は、これまでとは違うところにある。実は、従来のマーケティング手法では、ほとんど手を付けてこなかった領域がある。グロービス著『実況マーケティング教室』の中に、ものすごくわかりやすい図があったので紹介したい。この「手を付けてこなかった領域」を継続的に深耕することで、「期待を超えた価値」「予期せぬイノベーション」を生み出す可能性が手に入る。

<b>今後攻略すべき領域は「企業も顧客自身もまだ気づいていないD領域(未知の窓)」</b><br>データ出所:グロービス著『実況マーケティング教室』

今後攻略すべき領域は「企業も顧客自身もまだ気づいていないD領域(未知の窓)」
データ出所:グロービス著『実況マーケティング教室』

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