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「勉強→良い学校→正規雇用」は豊かな人生か?

松下博宣氏

「がんばって勉強→良い学校→長期安定的な正規雇用」。多くの日本人は、人の前ではこの教条的な図式に批判的な態度をとりつつも、実のところ最も望むものであったりする。ことお金と健康に関するかぎりこの図式は有効ではある。だが、それだけの人生で満足できるのか。今回は、お金と健康の切り口からライフデザインについて考えてみたい。

お金で健康を買える時代、「君はどうする?」と学生に問う

 筆者は大学や大学院で生命倫理や医療サービス・イノベーションの専門的な講義をやっている。そんな折、人生の当事者としての学生にこんな問いかけをよくする。

「お金持ちになれば健康でいられる確率が上がり、貧乏だと深刻な病気になる確率が増える。これらの傾向には科学的な根拠がある。では、君はどうするか」。

 すると臆面もなく学生はこう答える。

「しっかり大学で勉強して、就活がんばって、ちゃんとした給料をもらえる会社に就職して、ちゃんとした人と結婚して、健全な家庭を持ちたいと思います」。

 いやはや。筆者が大学生の頃、こんなことを言えば「ろくでもない人間」と思われても仕方がなかった。体制に順応的な卑怯者。進取の精神がない。臆病者でもできる唯一の冒険つまり結婚に憧れる奴。年功序列や終身雇用制に体よく納まることをよしとするプチブル(小市民)――。

 だが、今の学生に対して、「君は保守的だなぁ!」「体制的だなぁ!」などとは口が裂けても言えない。今や、このようなライフデザインこそが、過酷な社会でサバイブするために目的合理的であるからだ。

日本人の悩みのトップはお金と健康

 この議論を始める前に、日本人が置かれた状況を確認しておきたい。

 よほど能天気か鈍感でないかぎり、悩みと不安がない人はいないだろう。いったい、人は何に悩みと不安を感じるのか。その大元に横たわるものは何なのか。

 それは、お金と健康だ。

 未踏高齢化社会に突入しつつある日本人にとって、お金と健康の問題はますます大きくなりつつある。そこでは、より多くの人々が健康、お金、生き方のバランスをとるライフデザインに注意と労力を払いつつある。

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