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学習するコンピューター「スマートマシン」が専門家の存在を脅かす

ガートナー ジャパン 山野井聡氏

 企業の経営管理職の皆さんが注目すべきITワードとして、今回は「スマートマシン」をとりあげ、我々ビジネスパーソンに与える衝撃について述べてみよう。

破壊的なインパクトをもつスマートマシン

 先日たまたま、チャップリンの「モダン・タイムス」をTVで放映していた。資本主義社会における機械と人間の関係を強烈に風刺したこの名画は、今見ても約80年前に制作されたとは思えない新鮮さがある。思えば、機械が人を「支配」したり、時には人を敵と見なして「駆逐」したりするという設定は、SF小説や映画の鉄板ネタの一つだ。その空想世界が、スマートマシンの登場によって、よりリアルな現実に変わろうとしている。

 スマートマシンとは、デジタル化とコンピューティング技術の革新がもたらした文字通り「自ら考える機械」の総称である。スーパーコンピューターやサーバーはもとより、PC、タブレット、スマートフォンのようなデバイスや工業用マシンなども含まれる。

 当コラムで何度となくふれてきた「デジタルの時代」というのは、そのままスマートマシンの時代でもある。ガートナーでこの分野を担当するアナリストは、「スマートマシンの時代は、ITの歴史においてもかなり破壊的なものになる」と考えている。では、どのような点が破壊的なのだろうか?それは、これまで「人でなければできない」と思われていた様々な物事を、とうとう機械(マシン)が代替するようになってきたという点だ。

 例えば、ロボットやFAマシンなどによる作業の自動化は、製造業に効率化をもたらす一方で、ブルーカラーの職を奪ってきたと言える。企業のITシステムも「ビジネスプロセスの改善」という御旗のもとに、バックオフィス事務の省力化(=ホワイトカラーの削減)を実現してきた。今さらに、スマートマシンの登場によって同様の事態がナレッジワーカーの職域にまで侵食してきている。

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