日本経済新聞 関連サイト

泉田良輔の「新・日本産業鳥瞰図」

記事一覧

深謀遠慮のグーグル、次の20年で日本企業が競う相手

GFリサーチ 泉田良輔氏

 円安や株高により、日本企業の業績は一服したように見える。しかし、それはつかの間の安心に過ぎない。海外で事業を展開する日本企業は、次の20年に向けて「どの事業をどのように展開していくか」を検討しなければならない状況に置かれている。

 筆者はこう考える。次の20年は、「エネルギー」「ICT(情報通信技術)」「ハードウエア」のカテゴリーを、チエ(頭脳)とカネ(資金)を活用しながら、「どのように組み合わせていけるかで、商機を勝機に変えられるかが決まる」と。

次の20年を支配し得る「システムの競争」に備えよ

 日本企業が事業展開を考える上で最も考慮するべきは、ICTが「事業」および「事業を取り巻く環境」に及ぼす影響だ。ICTの進化により、通信インフラは継続的にアップグレードし、データセンターの利用価格が大きく下がった。この背景には、SoC(システム・オン・チップ)やメモリーをはじめとしたデバイスの性能向上によるところが大きい。半導体の微細化のトレンドは以前と比べて緩やかになってきてはいるものの、この傾向は今後も続くであろう。

 一方、スマートフォンをはじめとしたハードウエアが低価格化して普及し、それらからデータを収集する動きが加速している。今後もウェアラブルコンピューターや様々なハードウエアに搭載されたセンサーからデータを収集し、ネットワークを介してデータセンターに送り、処理結果をハードウエアにフィードバックする状況が進むであろう。最終的には、ネットワークを通じで接続されているハードウエアを個別に制御するというような環境へ、さらに進んでいくと考えられる。

 ICTに関わる各種インフラが整備され、その利用コストが下がることで、事業の組み合わせの数は大きく広がった。裏を返せば、ネットワークにつなげることができるハードウエアは、事業モデルをその前提で考えなければならなくなった。

 どんなにハードウエア単独で競争優位を確立していたとしても、ひとたびハードウエアをネットワークにつなげば、ハードウエアとネットワーク、サービスプラットフォームを含んだシステムとしての競争になる。そうした競争環境の中では、ハードウエアのみの競争優位を有しているだけでは十分でない。

 こうした市場動向のもと、多くの日本企業にとって、これから脅威となる動きを示しているのが米グーグルだ。

PICKUP[PR]