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意外と会社は合理的 ―組織にはびこる「理不尽」のメカニズム―

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官僚的組織でイノベーションを生み出す「特殊部隊」

レイ・フィスマン氏、ティム・サリバン氏

 ファストフード戦争の最前線に立つマクドナルドのフランチャイジーは、顧客のニーズや希望について、オークブルックのチェーン本部に陣取る経営陣が思いもよらないような直接的かつ重要な知識を持っている。マクドナルドの経営陣も彼らの提案に真剣に耳を傾ける。提案を採用した結果、おそらく数十億ドルの利益につながった例もあるだろう。

 現実に、クロックの放った大ヒットのいくつかは、フランチャイズ店のオーナーがもたらしたアイデアだ。主力メニューの中でも「エッグマックマフィン」は1960年代に、「フィレオフィッシュ」は1970年代にそれぞれフランチャイジーが生み出し、瞬く間に全社に広がったイノベーションだ。

 とはいえ本部の許可が下りるまでは、誰もフィレオフィッシュやマックマフィンを1個たりとも販売することはできなかった。また地域的な成功を収めた二つのメニューが、それぞれ全国展開されるまでには、慎重な審査、テストマーケティング、さらなる改良が重ねられた。つまりフランチャイジーのアイデアがマクドナルドの商品になるまでには何層もの承認や改良のステップを経る必要があり、その過程では当然、大量のお粗末なアイデアとともに却下されてしまった最高のアイデアもあっただろう。

 フィレオフィッシュはまさに典型的なケースだ。フィッシュバーガーを1960年代初頭に提案したのは、敬虔なカトリック教徒の多い地域でフランチャイズ店を開いていたルー・グロエンだ。カトリック教では鳥獣の肉を金曜日は食べないことになっているため、毎週この日はハンバーガーの売上が振るわなかった。

 近所の「ボブズ・ビッグボーイ」という店がカラスガレイのサンドイッチを売ることで安定的に客を集めているのを見たグロエンは、マクドナルドも同じことをすべきだ、と提案した。

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