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意外と会社は合理的 ―組織にはびこる「理不尽」のメカニズム―

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イノベーションをねじ伏せるマクドナルドの世界戦略

レイ・フィスマン氏、ティム・サリバン氏

 一見抑圧的な官僚機構の効用は、現場の連携不足から生まれる大惨事を回避することにとどまらない。組織の上に立つ者が、一人ひとりの構成員に組織全体のミッションに即した行動をとらせるための道具なのだ。洗練された道具とは言いがたいが、ピラミッド組織をうまく機能させるには最適な選択肢である。

 企業のCEOも軍の司令官も、現場での失敗を正すために、いちいちその場に足を運ぶわけにはいかない(ときにはそうしたくもなるが)。だから組織はルールの順守を徹底するのだ。

 1955年にまだ小さなハンバーガーチェーンだったマクドナルドを創業者から買い取ったレイ・クロックの場合、当初から勝手なイノベーションにきっちりフタをして、トラブルの芽を摘んだことが、安価で均質なメニューを提供するファストフード帝国を築き上げるうえで大いに役立った。

 クロックは各地の経営者が店舗のオーナーとなり、マクドナルドのブランドと製品を利用するというフランチャイズモデルを採用した。会社にとって何より大切なブランドとアイデンティティを守るには、中央集権的な管理が必要であることは初めから明白だった。初期のオーナーの大部分は、クロックの地元であるイリノイ州中部の、ローリング・グリーン・カントリークラブの会員だった。その一人がレディース・ホームジャーナル誌の広告営業マンだったボブ・ドンダンビルである。

 マクドナルドの歩みを描いたジョン・ラブの『マクドナルド わが豊穣の人材』によると、ドンダンビルは広告営業を「自分の自由奔放な性格にはそぐわない職業」と思っていた。女性誌の広告を売るという昼間の仕事では自己表現ができなかった陽気なドンダンビルにとって、マクドナルドのフランチャイズ店こそがそうした場所だった。ハンバーガーだけを売る気は毛頭なく、手作りのローストビーフとの最高の組み合わせを提供するつもりだった。しかも目立つことが大好きな彼は、それを大々的に宣伝した。

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