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デジタル化がもたらす産業革命「3Dプリンティング」

ガートナー ジャパン 山野井聡氏

 当コラムでは、これまでにも「デジタル」というキーワードをもとに、関連するテクノロジーをいくつかとりあげてきた。モノ・情報・行動・場所や人(生体)までもがデジタル化され、インターネットを通じてつながる「デジタル・ワールド」が到来している。誇張ではなく、これはデジタル化がもたらす産業革命である。その顕著な例として、今回は3Dプリンティングをとりあげてみよう。3Dプリンティングは今、「モノヅクリ」の方法そのものを大きく変えようとしている。

急速に普及する3Dプリンター

 すでに、3Dプリンティングに関する書籍は数多く出ている。ここ1~2年でメディア記事も頻繁に見られるようになった。オバマ大統領は、昨年の一般教書演説で、3Dプリンティングが米国の製造業の競争差別化を生む重要ツールと公言した。実際、NAMII(National Additive Manufacturing Innovation Institute)という専門研究施設には多額の投資がなされている。米国では、3Dプリンティングは国家事業なのだ。

 ちなみに、筆者が3Dプリンターを初めて見たのは、今から10年ほど前に、ある商社系ITベンダーを取材したときである。当時のプリンターは筐体もかなり大きく、高額で、プリントに要する時間も相当かかっていた。それでも、その精緻な技術に驚いたことは今でも覚えている。取材の「おみやげ」として、3Dプリンターで生成した小さな胡椒瓶をいただいた。白い樹脂製であることを除けば、それは実際にねじ蓋を回して外せ、中に胡椒をつめて、ふつうに食卓に置いて使える物だった。

 前述の米国の研究施設名にある「Additive Manufacturing」とは「積層造形」と訳す。積層造形とは、立体物をスキャニングしてデジタル化した後、樹脂や粉などの別の素材を使って、水平に輪切りにした断面データをもとに、薄層を積み上げてコピーを作ることで、3Dプリンティングの重要な技術である。

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