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トヨタ対フォルクスワーゲン ~2強の激突

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2020年の覇者を争うトヨタとVW

中西孝樹 氏

闘いのキーワード

 トヨタとVWの現状と問題点、将来戦略を深掘りするなかに、自動車産業が今後迎える大転換と競争の構図が見えてくるだろう。経営力、技術力、資本力、政治力いずれをとってもこの2社の実力は頭ひとつ抜けていると考えられる。これまでは、対極的な競争力の源泉を持ちながら直接対決する市場も限られていたが、この2社が世界的な競争を抜け出し、大激突する日が迫ってきている。

 自動車産業はそもそも革命的な変化に脅かされる産業特性ではなかったが、100年粛々と続いた穏やかな進化がついに劇的な飛躍を遂げるフェーズに差し掛かってきたともいえるだろう。2000年代に入ってからの業界の狼狽ぶりはその証左であり、戦略構築は右往左往してきた。もはや、過去の経験で測れないダイナミズムが生まれ、成功を左右する競争力も重大な転換点を迎えていると考えられる。

 新興国への需要成長領域の移行、クルマのコモディティ化、ビジネスの儲けかたの戦略性の重要度も大幅に拡大、メーカー間の競争力ギャップも縮小し、混沌とした競争環境に直面する。この中でクルマのアーキテクチャも大きな進化を始め、あらたなデファクトとコスト優位性の戦いも始まる。自動車産業はまさに激変の10年に突入している。これらを紐解く中に、2020年の自動車産業の競争優位を決する秘密が解き明かされていきそうだ。

 ものづくりの深層競争力を誇るトヨタに対し、ビジネスモデルを再構築しソフト面の管理能力を強みに挑むのがVWである。戦いの主戦場となる新興国市場は経験のない規模の膨張と複雑化のコントロールを求められる戦いとなるだろう。さらに、先進国と新興国のクルマの要求性能は収斂していく公算が高く、コストと機能を両立できる新しい設計概念、アーキテクチャを構築する必要に迫られ、この優位性をめぐる両社の戦いは重要な注目ポイントとなるだろう。新興国戦略や環境技術戦略を並行的に解決するためには、どのような新しいイノベーションを生みだしていくのか、勝負を決する重要な因子となりうるだろう。

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