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トヨタ対フォルクスワーゲン ~2強の激突

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新たなチャレンジャーの台頭

中西孝樹 氏

見えたトヨタの背中

 VW、ヒュンダイグループ、ルノー・日産の飛躍の原動力は、トヨタイズムの殻を打ち破った経営システムをベースにしたイノベーションにあるという点で共通している。瞬間的とはいえ、トヨタは2011年4―6月期のグローバル販売台数で、ヒュンダイの後塵を拝する屈辱を味わった。品質問題、東日本大震災によるサプライチェーン寸断が災いしたとはいえ、ひたひたと追い上げてくるヒュンダイを完全にライバルと認識せざるをえない象徴的な出来事であった。

 トヨタの足もとの販売台数は順調に回復を示しているが、トヨタの市場シェアが高い米国、日本、東南アジア市場の回復が牽引しており、戦略的重要地域の市場シェア上昇はまだ勢いがない。四半期ベースで見て、2007年頃にはヒュンダイに対しては2倍、VWに対しても1.5倍の規模を誇ったトヨタであったが、VWは完全にトヨタと拮抗するライバルとなり、ヒュンダイは約8割程度まで差を詰めた。トヨタが世界販売ナンバーワンに返り咲いたことは事実であるが、格差ギャップは著しく縮小し、トヨタの相対的優位性の後退と世界競争激化の構図が見える。

主役の交代か

 「何が起こったのか?」「安っぽいインテリア、騒音がうるさい、ブレーキ制動距離が長い」――。米国の消費者団体が発行するコンシューマーレポート(2011年9月号)がホンダの新型「シビック」を酷評し、カテゴリーで最下位から2番目の厳しい採点を付けた。「シビック」に代わって推奨リストに加えられたのはヒュンダイの「エラントラ」であった。米国市場における日本ブランドの落日、韓国ブランドの台頭を如実にあらわした出来事として記憶に新しい。コンシューマーレポートの評価に偏りがあり、厳しすぎるという反論もあったが、負け惜しみをいっても始まらない。ホンダが「シビック」の新車開発で誤りがあったことは火を見るよりも明らかであり、ヒュンダイのクルマづくりの実力が日本車と同等水準に達したことも疑いのない事実であろう。

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