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気づく技術!

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地方の繁盛店が持つ「むき出しの力」

JOYWOW 阪本啓一氏

 気づく技術の1つに、「ビジネスを裸にして、本質をつかみとる」というテクニックがある。

 例を挙げよう。エレベータービジネスは「人の垂直移動」を提供価値としている。これが本質である。すると大切なことはエレベーターという機械ではなく、「人が感じる垂直移動の快適さ」に焦点が絞られる。自分のいる階までエレベーターが到着する速度も重要だ。高層ビルで複数のエレベーターがある場合、どのエレベーターが最も早くボタンを押して待っている人のいる階まで到達できるか。そのあたりのアルゴリズムがポイントになる。そして、地震や火災などの災害時、どのような安全策が用意されているか。このように、ハードウェアとしての機械より、人の垂直移動に伴うソフトウェアがビジネスの本質であり、繁盛するかどうかのポイントだ。

 ビジネスをしている以上、みんな当然、自分のビジネスを繁盛させるために「何か良いことに気づこう」と考えている。そのため、繁盛している店やビジネスをベンチマークする。

 しかし、ここで重要な視点を紹介しよう。銀座や原宿にある繁盛店をベンチマークするのもいいが、ありていに言ってしまえば、銀座や原宿は人の交通量やブランドとしての街の力が圧倒的に強い。つまり、店を包む外部環境要因に恵まれている。店の裸の力なのか、外側の要因によるものなのか見極めるのが正直困難だ。

 わたしたちが欲しいのは「むき出しで、裸の、繁盛の秘訣」である。ゴルフでいうところの「スクラッチ=ハンディキャップなしの実力」こそが、参考になる。

 では、むき出しの力はどこで見つけることができるのか。

 それは地方だ。銀座や原宿のような「街の応援」が得られない地方で繁盛している店こそ、むき出しの力を備えていてベンチマークの勉強になる。ということで、鹿児島の繁盛店を訪ねてみた。そこからは、思わず愉快になるビジネスの本質が見えてくる。

「土づくり」から始めたレストラン、いつ行っても満席

 レストラン山有FUKU iTADAKiは2階建て。なじみ客はたいてい2階に上がり、カウンターの席を希望する。目の前の鉄板で野菜や肉を焼いてもらうのを楽しみにしているのだ。

 レストランの1階では、米、日本酒、焼酎、豆腐、パン、野菜を販売している。レストランで供され、1階でも販売している野菜などすべての商品が自社の農園で採れたもの。さらに興味深いのが、そもそも山有という会社は肥料の会社だということだ。自社の肥料を使って農作物を作り、その作物(野菜、米)を使ってレストランの料理や酒、焼酎を作る。

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