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トヨタ対フォルクスワーゲン ~2強の激突

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主戦場は先進国から新興国へ

中西孝樹 氏

時代を手繰り寄せたリーマンショック

 米国サブプライム問題に端を発した金融危機、いわゆる「リーマンショック」は先進国経済が構造的に凋落し、先進国向け商品と技術を経営戦略の中心においた日本の自動車産業の根本を揺るがす出来事であった。具体的に、日本メーカーに三つの重大な変化をもたらした。第一に、先進国から新興国へ自動車産業の需要成長ドライバーが移行したことだ。第二に、自動車のコモディティ化が進展したことである。第三にグローバルな自動車メーカー間の競争ギャップの著しい縮小である。この結果、かつては日本車の成功要因であり、ブランドを支えてきた品質と価値は競争力を大きく後退させる懸念が台頭している。過去四半世紀の間、ブランド価値の根本として日本車が握ってきた本質的な競争力を激しく揺るがせる出来事であったのだ。

 世界の消費構造がOECD(経済協力開発機構)諸国を中心とする経済圏から、非OECD諸国に牽引される新興国の時代が来ることは誰しもが理解していたが、リーマンショックはその構造転換を手繰り寄せた。毎月の新車販売台数を季節調整後年率換算レートに置き換えて先進国と新興国の推移を追えば、新興国主導の自動車消費構造へ転換した事実が見て取れる。危機から5年が経とうとしているが、先進国需要はピークの85パーセントの水準にしか回復していない。新興国需要は過去最高を疾走し、当時の190パーセントとほぼ倍増のレベルに到達し、規模は先進国を超えている。

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