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誰かに伝えたくなる、5つの口コミ起爆スイッチ

トライバルメディアハウス 池田紀行氏

 改めて言うまでもないが、口コミのパワーはものすごい。消費者の琴線に触れる口コミが広がれば、商品の売り上げが数倍に跳ね上がることも珍しくない(事例は後述)。

 そのパワーを知っているからこそ、「口コミで話題になるようなキャンペーンを実施したい」「口コミで売れていくようなロングセラー商品を作りたい」など、ビジネスの様々な場面で口コミによる情報拡散が話題になる。

"ステマ"に成り下がってはいけない

 しかし、安易に口コミを利用しようとすれば手痛い目にあう。

 2004~2008年頃の口コミマーケティング・ブームがそうだった。日本ではブログ人口が1000万人を超えた頃で、一方向的なマス広告が効きにくくなってきた当時の時代背景もあり、多くの企業が口コミマーケティングに飛びついた。

 しかし、数多くの取り組みが失敗に終わった。口コミに対する理解があまりにも浅く、自社にとって都合の良い口コミを強制的に発生させる「やらせ・なりすまし・サクラ行為」に手を出し、ステルスマーケティング(通称ステマ)に成り下がってしまったからだ。消費者の信頼を失い、炎上事故が後を絶たず、ブランド価値の毀損にもつながった。

 それから5年ほど経ち、多くの企業は学習した。口コミをコントロールすることはできない。いや、そもそもコントロールしようとしてはならない。良い商品は良い、悪い商品は悪いと語られ、どちらでもない商品は口コミすらされない現実を受け入れなければいけない。そして、口コミマーケティングとは、自社にとって都合の良い口コミを強制的に発生させることではなく、「ユーザー(消費者)が口コミをしたくなるようなコンテンツを考え、期待する口コミが発生するように企てること」であると理解した。

 こうした正しい理解の下で取り組めば、口コミを通じて大勢の消費者に企業のメッセージを届けるチャンスが与えられる。

感情ゲージが大きく動いたとき、誰かと共有したくなる

 では、消費者はどんなときに口コミをしたくなるのだろうか。これが本コラムのテーマだ。肝心なことなので、自分の胸に手を当ててよく考えてみてほしい。

 どうだろう、口コミをしたくなるのは、何かしらの「感情が動いたとき」ではないだろうか。人は、事前期待(想定)と事後評価のギャップが大きいときほど感情ゲージが大きく動き、その心理的なアンバランスを誰かに話し、共有することで、共振・共鳴したくなる。

 だから、口コミマーケティングを企てるときに重要なのは、相手の「どんな感情を動かすか」と「どのくらい大きなギャップが発生するか」という2つのポイントをしっかりと押さえることだ。

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