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小が大を超えるマーケティングの法則

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「小さいことは、いいことだ」の時代が来ている

「無難」な状態に満足したり、「平均」に近づこうなどとしてはならない

岩崎邦彦 氏

 前回は、小さな企業に有利な方向に消費者ニーズが変化しているトレンドとして、トレンド1「全国」から「地域」へ、トレンド2「総合」から「専門」へ、トレンド3「画一性」から「個性」、を見てきた。引き続きトレンドの変化を見てみよう。

トレンド4 「量」から「質」へ

 今日、消費者の周りにはモノがあふれている。家庭のタンス在庫もいっぱいだ。多くの消費者にとって、量はもう十分。選択肢がますます増える世の中で、シンプルな生活スタイルを求める消費者が増えている。消費者が求めるのは、量の多さではなく、質の高さである。下のグラフにみるように、品質が高いほど、顧客満足度は高くなる。

 人口は増えない。1人当たりの消費支出も増えない。こういった成熟社会では、「量」を追求する企業モデルは、ますます成り立ちにくくなっている。追求すべきは、「質」の向上である。

 「量」の競争を避けるべき、もうひとつの理由。それは、「量」の追求の行きつく先は、「同質化」だということである。このメカニズムは、下の図に示されている。X店、Y店がそれぞれ顧客数の最大化を追求するとどうなるのか。そう、X店、Y店ともに、もっとも平均的なニーズに対応することになってしまう。

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